そもそも「第7世代」という名は、霜降り明星のせいやがラジオで命名したことに端を発する。ドリフターズやコント55号が第1世代、ツービート、B&Bらいわゆる“MANZAIブーム”を巻き起こしたのが第2世代、とんねるずやダウンタウン、ウッチャンナンチャンらが第3世代、そしてナインティナインや雨上がり決死隊らが第4世代となる(第5~6世代は明確に定義されたことはない)。

「ナイナイ以降、数多くの芸人がテレビを中心に活躍して人気を得てきましたが、世代の定義づけがないまま、なかには芸歴すら曖昧なまま活動している芸人も少なくない。しかも、タモリ、たけし、さんまで形成される“お笑いビッグ3”をはじめとする重鎮たちがいまだにバラエティ界のど真ん中にいるため、彼らにとっては新世代の名乗りをあげるタイミングすらなかったとも言えます。そんななか、せいやが直近の先輩芸人らを押しのけて第7世代と名乗りを上げたことは、『俺らでお笑い界を変え、天下を獲る』という強い意志の表れのようにも思えます。旧態依然としたバラエティ界にまさに一石を投じる、非常にエポックメイクな宣言。第7世代の台頭によって、渋滞しまくっていたお笑い界がやっと動き出す気配が出てきて、番組を作っている我々も非常に楽しいんですよ」(前出の放送作家)

■業界関係者注目は四千頭身とかが屋

 勢いに乗る第7世代だが、全員が天下を穫れるわけではない。生存競争の激しいお笑い界で果たして、誰が生き残るのか。お笑い界に精通する民放バラエティー番組のプロデューサーは次のように分析する。

「霜降り明星が独走状態なのは言わずもがなですが、ナベプロ所属の四千頭身はネタだけでなくひな壇でも動きが非常にうまい。とくにウィスパーボイスでツッコむ後藤くんは今までの芸人にはない魅力があり、今後もバラエティで活躍するはず。M-1やキングオブコントで上位入賞となれば、トリオとして爆発的な人気を獲得するでしょう。一方、すでにカルト的な人気を博しているのが、かが屋のふたりです。バラエティー対応はまだ不安定ですが、ネタのクオリティは随一。芸人から最も認められているコンビとも言われており、ずっと『次に賞レースで結果を出すのはこのコンビ』と太鼓判を押されていたほど。彼らも賞レースで優勝して勢いがつけば、確実に大ブレイクするでしょう。一方、EXITの兼近が文春砲で過去の犯罪歴を暴露されたり、Aマッソが差別的発言をしたことで叩かれたりしていますが、いずれ復活してくるでしょう。第7世代にかける期待は、それほど絶大だと思います」

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不祥事も乗り越え