実力も折り紙付き。霜降り明星(左)とミキ (c)朝日新聞社
実力も折り紙付き。霜降り明星(左)とミキ (c)朝日新聞社

 最近よく耳にする「お笑い第7世代」というフレーズ。昨年のM-1グランプリで史上最年少優勝を果たした霜降り明星を筆頭に、ゆりやんレトリィバァ、ハナコ、四千頭身、EXIT、宮下草薙、ミキ、かが屋、Aマッソなど平成生まれのお笑い芸人たちを総称する造語だ。今や彼らを特集したムック本「芸人芸人芸人」は飛ぶように売れ、先日放送された「ENGEIグランドスラム」(フジテレビ系)でもお笑い第7世代のコーナーが設けられたほど。いったい彼らはどれほどの実力の持ち主なのか。数多くのバラエティ番組を手がける放送作家は次のように語る。

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「霜降り明星の粗品はピン芸人としてもR-1ぐらんぷりで優勝したまさに天才です。そして、天才が熱望してコンビを組んだ相方のせいやはナイナイの岡村さんを彷彿とさせる、久々に出てきた“動きで笑いを取れる”逸材。つまり、天才と逸材によるコンビはブレイクすべくしてブレイクしたのです。ほかにも第7世代はネタのクオリティが圧倒的に高く、みんなデジタルネイティブなのでSNSの使い方も非常にうまい。ひと昔前の芸人さんのように女遊びにうつつを抜かすことなく、とにかくまじめに芸事に向き合うため、コンプライアンス重視の昨今、番組制作サイドも安心して仕事を振れます。また、今のバラエティー番組だと、『アメトーーク!』のようにひな壇でいかにキャラを出すかが重要視され、彼ら若手芸人らは手練れの先輩芸人にどうしても委縮しがちでした。瞬発力が求められる番組構成なので、彼らはひな壇では不利な状況になるのがほとんど。しかし、第7世代とくくられたことで彼らにスポットが当たることが多くなり、彼ら同士の連係プレーも仕上がりつつある。ここ10年ほど、バラエティ番組は同じ顔ぶればかりでしたが、今のキャスティング会議では第7世代の名前が先に挙がるケースが多くなっています。今後、彼らをメインとした番組がヒットすれば、下剋上もありえるでしょう」

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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