大畑大介さん(撮影/写真部・小山幸佑)
大畑大介さん(撮影/写真部・小山幸佑)

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初戦で3トライを決めた「フェラーリ」松島幸太朗(撮影/写真部・東川哲也)
初戦で3トライを決めた「フェラーリ」松島幸太朗(撮影/写真部・東川哲也)

 9月20日に開幕したラグビーワールドカップの初戦でロシアに勝利した日本代表チームが、28日、いよいよ世界ランキング2位のアイルランドと対戦する。

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 試合登録メンバーには、ロシア戦で3トライをあげた松島幸太朗はもちろんのこと、きっちりボールキャリーという自分の仕事を果たした姫野和樹や、見事なキックを見せた山中亮平が先発として選ばれた。また、W杯開幕前の南アフリカ戦で負傷して心配されていたNo.8のアマナキ・レレイ・マフィも復帰するとあって、ファンの期待が集まっている。

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 「日本ラグビーは、決まりごとのラグビーから、とにかく考えに考えるラグビーに変わりましたね」

 そう語るのは、ラグビー元日本代表の大畑大介さん。トライ数69という世界一の記録を保持する名選手だ。大畑さんは、『ラグビー日本代表写真ガイド RUGBY PHOTOBOOK & GUIDE JAPAN 2019』でロングインタビューに答え、大きく進化したラグビー日本代表チームの現状と、対戦国とどう戦うか、どこに注目して観戦すべきかを語っている。

大畑:日本ラグビーは、以前は「ボールをパスで横につなげていくラグビー」でしたが、決まりごとのなかでやっていることなので、比較的難しくなかった。ただ、ボールを横に動かすことは相手にも簡単に予想できてしまう。ボールを横に動かしていくのは、いわば「面で攻めよう」という戦術ですが、そのため、選手の背後、つまり裏側に大きな空きスペースができてしまう。
 すると、相手チームはその裏にボールを落として崩そうとしてくるので、誰かがそのスペースをケアしなければならなくなる。結果として、ディフェンスの数が減り、面が薄くなってしまうのです。この対策として、「自分たちもボールを横だけでなく裏へも動かしていこう」というのが、今の日本が目指す戦術です。

 確かに、2015年の前回大会と比べて、今の日本代表にはキックを使う場面がよく見られるようになった。

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「選べるのなら、今の日本のラグビーをやってみたい」