■近鉄:中村紀洋

 タフィ・ローズとともに、豪快な打撃で2000年代の“いてまえ打線”をけん引した中村の存在感は圧倒的だ。高卒3年目の1994年(平成6年)に早くもレギュラーを掴み、その後は3番や5番などを任されたが、2001年(平成13年)に4番に定着。リーグ優勝を果たした同年には打率.320(リーグ7位)、46本塁打(リーグ3位)、132打点(リーグ1位)とキャリアハイの成績を残した。その年、優勝争い真っただ中の終盤9月24日の西武戦で、松坂大輔から放ったサヨナラ弾は、2004年に消滅した球団史に残る名場面になった。

 強力打線が売りのチームだけあって、中村の他にもブライアント、石井浩郎、中村が3番時に4番に座ったローズなど、近鉄の平成の4番には、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。しかし、やんちゃな風貌から、気持ちいいほどのフルスイングで一発を量産した中村が記憶にも成績的にも最もふさわしい選手だ。