■林優樹(近江)


ポジション:投手
身長体重・投打:174cm 64kg 左投左打
評価:B
おすすめ球団:中日
初戦で敗れたものの東海大相模の強力打線を相手に自責点1で完投と良さは十分に見せつけた。ストレートが130キロ程度でも速く見え、緩急とコーナーワークを駆使したピッチングはとても高校生とは思えない老獪さがある。チェンジアップという必殺のボールがあるのも強みだ。社会人入りが濃厚だが、先発タイプの技巧派サウスポーがいない中日などは欲しい人材と言えるだろう。

■池田陽佑(智弁和歌山)
ポジション:投手
身長体重・投打:183cm 84kg 右投右打
評価:B
おすすめ球団:阪神
選抜出場組で最も成長を見せたのがこの池田だ。投球が見違えるように力強くなり、2回戦の明徳義塾戦では150キロもマークした。少し一塁側に体が流れるのは課題だが、下半身の強さと力強い腕の振りは大きな魅力。変化球のコントロールも安定している。若手の先発候補を補強したい阪神にはおすすめの人材と言えるだろう。

■鈴木寛人(霞ケ浦)
ポジション:投手
身長体重・投打:186cm 79kg 右投右打
評価:A
おすすめ球団:広島
1回戦で履正社に打ち込まれて3回途中で降板という悔しい結果となったが、素材の良さは十分に感じさせた。大型でもフォームに悪いところが少なく、ボールの角度も申し分ない。体ができればどんどん良くなりそうな雰囲気は十分に感じる。アドゥワ誠や高校の先輩でもある遠藤淳志など高校卒の大型投手が出始めている広島は、彼らに刺激を与える意味でも面白い投手と言えるだろう。

■奥川恭伸(星稜)
ポジション:投手
身長体重・投打:183cm 84kg 右投右打
評価:A
おすすめ球団:西武
決勝で敗れたものの、大会ナンバーワン投手にふさわしいピッチングで見事にチームを準優勝に導いた。常時150キロ近いスピードを誇るストレートと、打者の手元で鋭く変化するスライダー、チェンジアップ、フォークをコーナーに投げ分ける投球は高校生のレベルではない。プロ入り1年目からローテーション入りも狙えるだけに、本人にとってもチャンスが多い環境が望ましい。それを考えると先発投手陣の手薄な西武は是非とも狙いたい投手と言えるだろう。

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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