被曝量は大丈夫? 歯科医院で「X線写真を撮りましょう!」と言われた (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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被曝量は大丈夫? 歯科医院で「X線写真を撮りましょう!」と言われた

連載「歯科医が全部答えます! 聞くに聞けない “歯医者のギモン”」

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若林健史(わかばやし・けんじ) 歯科医師。医療法人社団真健会(若林歯科医院、オーラルケアクリニック青山)理事長。1982年、日本大学松戸歯学部卒業。89年、東京都渋谷区代官山にて開業。2014年、代官山から恵比寿南に移転。日本大学客員教授、日本歯周病学会理事を務める。歯周病専門医・指導医として、歯科医師向けや一般市民向けの講演多数。テレビCMにも出演

若林健史(わかばやし・けんじ) 歯科医師。医療法人社団真健会(若林歯科医院、オーラルケアクリニック青山)理事長。1982年、日本大学松戸歯学部卒業。89年、東京都渋谷区代官山にて開業。2014年、代官山から恵比寿南に移転。日本大学客員教授、日本歯周病学会理事を務める。歯周病専門医・指導医として、歯科医師向けや一般市民向けの講演多数。テレビCMにも出演

重度の歯周病のX線写真、下のほうで二股に分かれているのが歯の根で、その周囲にうつっている網目状の白い部分が歯を支えている歯槽骨。健康な歯では表に出ている白い歯(エナメル質)の少し下あたりから歯槽骨が見える。この患者の場合、骨の破壊がかなり進んでおり、治療をしても歯を保存することは難しい(写真提供・若林医師)

重度の歯周病のX線写真、下のほうで二股に分かれているのが歯の根で、その周囲にうつっている網目状の白い部分が歯を支えている歯槽骨。健康な歯では表に出ている白い歯(エナメル質)の少し下あたりから歯槽骨が見える。この患者の場合、骨の破壊がかなり進んでおり、治療をしても歯を保存することは難しい(写真提供・若林医師)

 こうした所見は歯科医師の説明があれば患者さんにもわかります。ぜひ、写真をよく見て説明を受けてほしいと思います。

 ところでX線写真については、「できるだけ撮られたくない」という人は多いと思います。理由の一つが「放射線の被曝(ひばく)が心配」ということのようです。

 そこで歯科のX線写真の放射線量はどのくらいなのかをあらためて調べてみました。東京都歯科医師会が量子科学技術研究開発機構(旧放射線医学総合研究所)のデータをもとに作成した資料によればデンタルX線写真(歯を1本ずつ撮る部分写真)1枚で約0.01ミリシーベルト(以下、単位省略)、パノラマX線撮影(一般的に撮られる歯の全体写真)で約0.03です。

 しかし、例えば、飛行機に乗って東京とニューヨーク間1往復で自然界から浴びる放射線量は約0.2ミリシーベルトです。これと比較すると歯科のX線写真での被曝量はパノラマX線写真でも7分の1程度で、かなり少ないのです。

 定期検診の場合、撮影の頻度は決まっておらず、歯科医師が決めていますが、1年に1回程度が一般的ですから、歯科だけで他にからだのX線写真やCT写真をたくさん撮っているのでなければ、ほとんど気にしなくていいでしょう。

 ただし、むし歯ができやすかったり、歯周病が再発しやすかったりする人の場合はもっと頻回に写真を撮ることをすすめられるかもしれません。

 いずれにせよ、気になる場合は歯科医師に聞くのが一番です。

「この前、撮ったばかりなのに、また、撮るのですか」

 といった具合に遠慮なく、問い合わせてみてください。

 これまで何度も言っているように、それで嫌な顔をするような歯科医師はよい歯科医師ではありません。よい歯科医師であれば、撮影が必要な理由をきちんと教えてくれるでしょう。


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若林健史

若林健史(わかばやし・けんじ) 歯科医師。医療法人社団真健会(若林歯科医院、オーラルケアクリニック青山)理事長。1982年、日本大学松戸歯学部卒業。89年、東京都渋谷区代官山にて開業。2014年、代官山から恵比寿南に移転。日本大学客員教授、日本歯周病学会理事を務める。歯周病専門医・指導医として、歯科医師向けや一般市民向けの講演多数。テレビCMにも出演。AERAdot.の連載をまとめた著書『なぜ歯科の治療は1回では終わらないのか?聞くに聞けない歯医者のギモン40』が好評発売中。

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