日本から2時間半で行けるヨーロッパ、 ウラジオストクが人気上昇中のワケ (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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日本から2時間半で行けるヨーロッパ、 ウラジオストクが人気上昇中のワケ

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中村正人dot.# 朝日新聞出版の本#読書
歴史的な展示物の上でちょこんとしてカメラを見つめるブチネコは、博物館の人たちに飼われていた。ウラジオストクはネコの天国かもしれない。ロシア人のネコ好きは有名で、市場や路地裏、カフェ、みやげ物屋など、そこかしこで出会えるだろう(撮影/佐藤憲一)

歴史的な展示物の上でちょこんとしてカメラを見つめるブチネコは、博物館の人たちに飼われていた。ウラジオストクはネコの天国かもしれない。ロシア人のネコ好きは有名で、市場や路地裏、カフェ、みやげ物屋など、そこかしこで出会えるだろう(撮影/佐藤憲一)

ウラジオストクには本格的なバレエ劇場のマリインスキーがある。公演は毎年7 月下旬から翌年5 月中旬まで。人気の演目は「くるみ割り人形」。日本からこんなに近くで本場のバレエが楽しめるのだから、行かない手はない。観劇チケットもネットで購入できる(撮影:佐藤憲一)

ウラジオストクには本格的なバレエ劇場のマリインスキーがある。公演は毎年7 月下旬から翌年5 月中旬まで。人気の演目は「くるみ割り人形」。日本からこんなに近くで本場のバレエが楽しめるのだから、行かない手はない。観劇チケットもネットで購入できる(撮影:佐藤憲一)

日本海やオホーツク海でとれたタラバガニを塩で湯がいてそのまま食べる。ウラジオストクはシーフードの宝庫。ホタテやカキ、ムール貝、ナマコなどの新鮮な素材も味わえる。それだけでなく、コーカサスや中央アジアのスパイシーな味覚も体験できるから驚きだ(撮影:佐藤憲一)

日本海やオホーツク海でとれたタラバガニを塩で湯がいてそのまま食べる。ウラジオストクはシーフードの宝庫。ホタテやカキ、ムール貝、ナマコなどの新鮮な素材も味わえる。それだけでなく、コーカサスや中央アジアのスパイシーな味覚も体験できるから驚きだ(撮影:佐藤憲一)

 極東ロシアのウラジオストクを訪れる日本人が増えている。旅行大手HISの今夏の海外旅行先の予約急上昇ランキングで、ウラジオストクはイスタンブールに次ぐ2位、前年比181%の伸び率だという(JIJI.COM 2019年7月5日)。その人気の理由を紹介する。

*  *  * 
■かつて軍港だったウラジオストクが近年注目されている4つの背景

 ウラジオストクは俗に「日本にいちばん近いヨーロッパ」といわれているが、なぜ最近になって日本人旅行者が増えているのだろうか。以下の4つの背景がある。

(1)2017年からビザの取得が簡単になった

 2017年8月からウラジオストクに空路と海路で入国する場合、ネット申請手続きだけですむ電子簡易ビザが発給されるようになった。8日間限定でロシア沿海地方に滞在できる。これまでのロシア旅行に付き物だったビザ取得のための煩雑な手間から解放された。

(2)韓国並み! 日本からフライト2時間半

 成田からウラジオストクへのフライト時間はわずか2時間半。大阪や札幌からはもっと近い。物価も日本に比べて安く、町もコンパクトにまとまっているので、2泊3日の週末旅行でも十分楽しめる。

(3)昔のイメージは一変。明るいヨーロッパの港町へ

 かつての暗くて“おそロシア”なイメージは、もう過去のもの。ヨーロッパの港町そのもののウラジオストクでは、ただ通りを散策しているだけで気分がいい。食事もおいしく、ロシア料理だけでなく、多彩な料理を味わえる。

(4)ロシア側も観光に力を入れ始めた

 2018年のFIFAワールドカップ・ロシア大会の期間中、海外から多くの観戦客の誘致に成功したことから、ロシアは観光客の受け入れに積極的に取り組み始めている。現地のロシア人は親日的で、日本人との交流を待ち望んでいる。

■古き良きヨーロッパの港町は、未知なるグルメシティに変貌

 では、ウラジオストクとはどんなところなのか。

 そこは、文字どおり「日本海に面した港町」だ。時差は日本より1時間早い。それなのに、ヨーロッパの町並みがある。基層となっているのは19世紀後半の帝政ロシア時代に造られた優美なものだ。近隣アジアの都市で見かける高層建築はほぼないため、昔ながらのヨーロッパの趣が残っている。100年以上の歴史を持つシベリア横断鉄道の駅舎や港の絶景が見渡せる展望台など、町の散策スポットはフォトジェニックだ。地元の食材が並ぶ市場や、その脇を走るレトロな路面電車とケーブルカー。そして、北国ロシアのイメージを一変させるのは、夏になると町に近いビーチがパラソルと海水浴客でにぎわう光景だ。

 質の高いレストランが多いのにも驚かされる。口当たりは濃厚だが、上品な味つけのロシア料理は日本人の口に合う。ロシア風水ギョウザのペリメニは見た目がかわいく、ヘルシーで女性に人気。日本海でとれたカニはもちろん、タイガ(針葉樹林)の森の新鮮な素材を使った食の新潮流「パシフィック・ロシア・フード」や、ジョージア(旧グルジア)料理などのコーカサス地方や中央アジアのスパイシーな味わいも、この町ならではだ。世界最古とされるジョージアワインとともにこの町の人たちに愛されている。町中至る場所に居心地のいいカフェやバーがあり、スイーツやお酒も楽しめる。


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