「エイベックスに移籍してからは活動も安定し、歌手活動も再開しました。それ以外でも雑誌の連載などを抱えて多忙なようでしたが、活動を再開させたときにはすでに『CDが売れない時代』になっていたので、かつての人気はなくなってしまった。それでも新しいことにチャレンジしようとさまざまな企画を繰り出していましたね。本人はすごく良い子ですし、30代になっても抜群にかわいい。今でも、かつてのファンが熱心に応援しているのも印象的です」(音楽情報誌の編集者)

■バラエティでは激辛タレントとして活躍

 一方で、DJとしてデビューしたこともあるが……。

「正直、DJと呼べるほどの実力はなかったと思います。音楽的な知識もさほど詳しくはないですしね。いわゆる“タレントDJ”のはしりだったと思いますが、鈴木さんはアジアを中心に海外でも人気がありましたし、パフォーマーとしてはタレント価値が高い。当時エイベックスも歌手ではなくDJをアーティストとしてガンガン売りに出していたころだったので、彼女の人気を武器に売り出した……というところだったのでしょう」(同)

 プライベートでは2016年に結婚し、その後子供も出産。並行してテレビ出演をしたり、レシピ本を発売するなどママタレントとしてもしっかり活動を続けている。

「最近では『激辛タレント』として出演しているケースが多いですね。彼女はとにかく、激辛なものが好きで、どんなに辛いものでも平気で食べるのでバラエティ番組では共演者がいつもドン引きしています。SNSでは『カラミーゴ』と呼ばれているくらいで、平然と激辛メニューを食べる彼女の美貌とのギャップがまた面白い。かつては見せなかった顔を今はみせてくれるので、『あの人は今』のような感覚で定期的にバラエティのキャスティングにあがってきますね」(民放バラエティ制作スタッフ)

 フェイクドキュメンタリーで見せた演技力に加え、DJやママタレント、激辛タレントとして活躍する鈴木だが、TVウオッチャーの中村裕一氏は、そんな鈴木の今後についてこう分析する。

「『人間の証』ではフェイクとはいえ弱い部分や醜い部分をさらけ出し、人間味あふれる表情を披露しました。決して“あの人は今”的なポジションに納まりたくない彼女の芸能人としての意地というか執念をそこに感じました。そんな負けず嫌いな彼女の性格が、時代が求めるニーズとマッチするかどうかは現段階では分かりません。また、エピソードの引き出しの多さと高度なトークスキルが要求される今のバラエティ番組にどこまで対応できるかも未知数でしょう。しかしながら、芸能界はいつ何がきっかけになってブレイクするかまったく予測がつかない世界。きっと彼女自身も、芸能人であり続けることが一番大事なことだと理解しているからこそ、活動の幅を貪欲に広げているのではないでしょうか」

 冒頭に紹介したフェイクドキュメンタリーでも、過去の自分と今の自分を比較させるような問いかけがあったが、彼女は今もしっかりと着実に活躍しているようだ。(黒崎さとし)