「私は山里さんの仕事に対する姿勢を尊敬しています」と蒼井優 (c)朝日新聞社
「私は山里さんの仕事に対する姿勢を尊敬しています」と蒼井優 (c)朝日新聞社

 近年まれに見る、なごやかな雰囲気で話題になった、蒼井優と山里亮太の結婚会見。しかし、笑いが途切れた時間が数分存在した。蒼井の「魔性の女」云々について、山里が言及したところだ。

【写真】スタッフがメロメロ…ドキっとする眼差しで週刊朝日の表紙を飾った蒼井優

「心配されますよね、やっぱり。みなさんからさっきから出ている単語もあるじゃないですか。そういうのでみんな心配するんですけど、一切、心配してないです。それはたぶんみなさんの目の前にいる蒼井さんと、違う蒼井さんを僕は見せていただいていると思うので、本当に純粋で、楽しいときには笑って、おいしいもの食べてるときは本当コロコロ笑って、泣きたいときはすごい泣くっていう、みんなが思い描くのってちょっと違うでしょう。魔性って単語を使っているけど、僕はそんな人間じゃないっていうのを一緒にいてずっと見ていたので、みなさんが思う魔性から発生する心配っていうのは一切ございません」

 これを聞いていた蒼井はそれまでとはうってかわって神妙な表情になり、途中から涙ぐんだり、深くおじぎをしたりした。そして「浮気」について質問が飛ぶと、山里は「これはまあ、僕はないです」。すると、間髪入れずに蒼井がキッパリ「ないです」と答えた。会見のなかでも、ひときわ印象的な場面だ。

 しかし、この発言の前に、取材陣から「魔性」という単語は出ていない。「蒼井優さんは芸能界イチのモテ女優とずっと言われていて、芸能界の男性でもものすごくファンが多いってうかがってるんですけど」というフレーズを山里が無意識に誤読、もしくは故意に拡大解釈して、妻となる人のイメージを変えようとしたかのようだ。

 じつはこのとき、この結婚の本質がうっすらと見えた。それは「非モテ」キャラだった山里のコンプレックスを蒼井が癒したというありがちな構図ではなく、むしろ逆だということだ。つまり、救われたのは蒼井のほうだったのではないか。

■「恋多き女」が「魔性の女」へ

 というのも、彼女は4年前にこんな発言をしていた。

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宝泉薫

宝泉薫

1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など

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