注目の久保建英(右)は中島翔哉(手前左)と新たな科学反応を起こせるか (c)朝日新聞社
注目の久保建英(右)は中島翔哉(手前左)と新たな科学反応を起こせるか (c)朝日新聞社

 森保一監督が率いる日本代表は6月9日にエルサルバドルと対戦する。北中米カリブ海のチームといっても、5日に0-0で引き分けたトリニダード・トバゴとはタイプが異なり、どちらかと言えばコスタリカに近い。3月には親善試合とは言え南米のペルーを2-0で破り、6月3日には一昨年にハリルジャパンが引き分けたハイチにも1-0で勝利。侮るのはかなり危険だ。

 その相手に対して日本がトリニダードトバゴ戦で初めてテストした3-4-2-1のまま行くのか、これまで通りの4バックに戻すのかは大きな関心事だが、トリニダード・トバゴ戦でベンチ外だった久保建英や岡崎慎司がどう起用されるのか、前線の組み合わせも注目される。

 この一戦は9月からスタートするワールドカップアジア予選に向けた最後の強化試合になるが、17日に初戦を迎えるコパ・アメリカまでトレーニングマッチなどは組まれておらず、キリンチャレンジカップとコパ・アメリカの両日程で選出されている8人(川島永嗣、大迫敬介、冨安健洋、柴崎岳、中島翔哉、中山雄太、久保建英、岡崎慎司)のコンディションを上げる意味合いも少なからずあると考えられる。

 3-4-2-1の”2シャドー”とも呼ばれる2列目ではトリニダード・トバゴ戦で中島と堂安律が後半26分までプレー、南野拓実と伊東純也に代わった。ベンチ入りながら出場なく終わった香川真司は翌日の練習でハツラツとした動きを見せていたが、3-4-2-1の攻撃を想定したミニゲームの途中でトレーニングを切り上げ、6日の練習では別メニュー調整となった。

 そうした状況の中で2列目の人選は様々な組み合わせが考えられるが、新たなソリューションを生み出す可能性を秘めるのが中島と久保のコンビだ。特に3-4-2-1の場合は2列目のトップ下に固定の選手がおらず、逆にそのスペースをいかに使っていけるかが攻撃の鍵を握る。

 トリニダード・トバゴ戦では幅を取るポジションを維持してしまったために、大迫勇也が前線でボールをキープしても周囲に選手がおらず、結局は左のワイドでボールを受けた中島が仕掛けてシュートに持ち込む形に頼るような状況になってしまった。右ワイドの堂安は何度か斜めに入ってきて絡んだが、二人とも両アウトサイドからの攻撃のようになってしまっていた。

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久保建英の特性とは?