■いまだCM起用への道は険しい

 テレピのバラエティでは復活した感のある狩野だが、広告業界からはまだ厳しい声があるのはたしかだ。

「おそらく当分の間、CM起用は難しいと思います。残念ながら替えの効く芸人さんはたくさんいますからね。例えば、一発屋としてならダンディ坂野もいるし、いじられキャラなら出川や小宮でもいい。いまだに拒否感を持つ女性が多いなか、あえて起用するリスクを広告会社としてはとりたくない。『東北魂TV』や仙台のローカル番組に出るなど、震災復興に芸人として尽力しているので、東北地方では起用はあり得るかもしれないですが、全国区だと厳しいと思います。現状はPRイベントなどでも起用は苦しいイメージですね」(広告会社社員)

 そんな狩野の今後の活動について、テレビウォッチャーの中村裕一氏はこう分析する。

「2年前の未成年との交際疑惑は、改めて振り返ってもかなり致命的なスキャンダルだったと思いますが、今となってはなんとか踏みとどまった印象です。彼が完全に芸能界から消えなかったのは、天然なのに妙なプライドがあるキャラクターが、多くの出演者やスタッフから愛されているからではないでしょうか。実際、彼のトークを聞いていると、自らの失敗談や勘違いなどがほとんどで、わざわざ他人の足を引っ張ったり、傷つけたりしていないことに気づきます。こういう芸風は意外と長続きするものです。最終的には実家の神社を継ぐ選択肢もあると思いますし、良い意味でまだ何かやらかしてくれそうな気がしますね」

 バラエティ界で生き残ることはできるのか。今後、どんな新しい狩野英孝を見せてくれるのか楽しみだ。(黒崎さとし)