同社は特撮ものを豊富に揃え、劇場版も含めたその数は、仮面ライダーは『仮面ライダー』(1971年)から劇場版を含め40シリーズ、ウルトラマンは『ウルトラマンX』(2015年公開)など約25シリーズにのぼる。それぞれ特設ページを設ける力の入れようだ。

「特撮ヒーローの作品は、放送当時の景気や国際情勢など社会の変化に影響を受けて、登場人物の設定や言動などが変化してきています。ストーリーも勧善懲悪だった昭和時代から変化し、平成の仮面ライダーたちは主人公がだらしなかったり、ライダーとライダーが戦ったりと、社会の複雑さや混沌を反映している面もあります。CGなど特撮の技術の進歩や、ゲーム性が高くなるなどの変化はありますが、いまの子どもたちは平成以降の作品なら違和感無く夢中になれるのではと思います」(高谷さん)

『仮面ライダークウガ』(2000年)を演じたオダギリジョーを皮切りに、平成になってイケメン俳優の登竜門となった仮面ライダーは、親子でハマるという現象も生み出した。そのため、放送終了後の作品でも、映画やドラマで人気を得た俳優の過去の出演作としてまた火がつく作品もあるのだとか。

「菅田将暉さん主演の『仮面ライダーW』、竹内涼真さんの『仮面ライダードライブ』、志尊淳さんの『烈車戦隊トッキュウジャー』などは人気で、親子で楽しまれている作品だと思います」(高谷さん)

 子どもが自分の好きなものを見つけてくれるのは嬉しい。ただ、過去のヒーローにハマってしまうと親たちを悩ませるのは「子どもが欲しがるグッズをどうやって手に入れるか問題」だ。

 我が家も例に漏れず、3歳の息子が『仮面ライダーカブト』(2006年放送開始)にハマってしまい、変身ベルト探しに苦労した。もう少し後の作品ならフリマアプリでも未開封のものも出回っているのだが、さすがに10年以上前になるとほとんどが“訳あり”品で、美品になるとコレクター向けにプレミアが付いて数万円まで跳ね上がってしまう。Amazonでの価格変動を見ても、乱高下しながら中古は徐々に値上がり中だった。結局、泣く泣く定価より3割以上も高い中古品をオークションで落札し、誕生日のプレゼントにした。いまも修理しながら愛用中だ。

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親たちの叫び「どこで買えるの」 自作するツワモノも