長友は日本代表の強化にはアウェーでの試合が重要と主張する(写真:getty Images)
長友は日本代表の強化にはアウェーでの試合が重要と主張する(写真:getty Images)

 森保一監督が率いる日本代表はカタールに1-3で敗れ、アジアカップ準優勝に終わった。カタールにスカウティングと準備で上回られたこと、早い時間帯で相手にアジャストできなかったこと、追いかける展開での打つ手の不足、純粋にフィニッシュを決め切る力の差など、敗戦の要因は複合的だ。また、1つのクラブのようなカタールの組織力がまだまだ粗さのある日本のそれを上回ったことも大きいだろう。

 現象から切り取れる課題は森保監督や技術委員会が検証して今後の改善につなげて欲しいし、前線の決め手不足などは選手がクラブに持ち帰って向上させること、また今回選ばれなかった選手やケガで離脱したメンバーも次に招集されるように切磋琢磨していってもらうほかない。ただ、そうした課題とは別に、考えないといけないのが強化プランだ。

 特にロシアワールドカップの後に諸事情があるとはいえ、ずっと国内で親善試合を組んできて、いきなり中東開催の公式大会で優勝しましょうというのは実はかなり無理がある話だ。ホームの親善試合が日本サッカー協会の基盤を支える上で非常に大事なことを承知の上で言えば、やはりアウェーで厳しい試合を経験していくことがいかに重要かを思い知った大会でもあった。

 特に考えさせられたのが昨年11月の親善試合で日本が4-0と大勝したキルギスのアジアカップでのパフォーマンスだ。中国に1-2、韓国に0-1と惜敗したキルギスはフィリピンに3-1で勝って、3位の成績上位でノックアウトステージに進出。UAEと接戦を演じて2-3で敗退したが、全く別のチームを見るようだった。キャプテンのキチンという11月には来日しなかった選手の活躍も目を引いたが、全体の動きが見違えていたのだ。

 カタール戦後、今大会について「収穫は若い選手の成長。負ければ終わりという重圧の中で彼らが経験を積んできてくれたことは大きな収穫だと思う。そのぐらいかな」と振り返る長友佑都は「親善試合とは違った重圧です。全く違いますよ」と強調した。

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長友「海外でやらないと日本代表の本当の成長はない」