そして、2人にとって、やはり大きな目標は「M-1」優勝。以前の取材メモを見ると、川西も正直な思いを吐露していた。

「自分にとって『M-1』は“一番強い欲”やと思います。お金がほしいとか、有名になりたいとか、モテたいとか、もちろん、そういう欲もあるんですけど、あらゆるものと天秤にかけた時に『M-1』で優勝するということに勝る欲はないんですよね。ま、それを手に入れれば、お金ももらえるし、有名にもなれるし、モテたりもするというのが向こう側に透けて見えるからかもしれませんけど(笑)、やっぱり、やっぱり、一番強い欲が『M-1』なんです」

 水田も言葉に力を込める。

「僕にとって『M-1』は“免許”です。『舞台で一生漫才をやってもいいですよ』という。もちろん『M-1』をとらなくても漫才はできますし、そもそも、お医者さんや弁護士さんと違って漫才師は免許でやるものではない。ただ、それでも、僕にとっては唯一の免許が『M-1』なんです」

(芸能記者・中西正男)

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中西正男

中西正男

芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「上沼・高田のクギズケ!」「す・またん!」(読売テレビ)、「キャッチ!」(中京テレビ)、「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ)、「松井愛のすこ~し愛して♡」(MBSラジオ)、「ウラのウラまで浦川です」(ABCラジオ)などに出演中。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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