森保ジャパンはラウンド16でサウジアラビアと対戦する(写真:getty Images)
森保ジャパンはラウンド16でサウジアラビアと対戦する(写真:getty Images)

 アジアカップに参戦している日本代表はラウンド16でサウジアラビアと対戦する。日本は苦しみながらも3連勝してF組の首位突破を決めた一方で、アルゼンチン生まれのスペイン人ピッツィ監督が率いるE組のサウジアラビアは、2連勝同士で迎えたカタールとの試合で0-2と敗れて2位となった。

 日本とサウジアラビアはともにロシアワールドカップの出場国であり、アジアカップのベスト4あたりで実現してもおかしくない対戦カードだ。森保一監督が率いる日本代表にとって厳しい戦いになることは間違いないが、付け入る隙は十分にある相手でもある。

 サウジアラビアは、4-3-3をベースに中盤でボールを動かしながら攻撃を組み立てるスタイルで、グループステージは3試合とも70%前後のボール保持率を記録した。基本的に左サイドバックが高い位置に上がれば、右サイドはウィングの選手がワイドに張り、サイドバックは少しインサイドにポジションを取る。

 そして、高い位置の左サイドバックと左センターバックの間に生じるスペースはインサイドハーフの選手が埋める。そういったポジショニングから左右でつるべのように動きながら、中盤の残る2人は縦の関係でボールを回し、ディフェンスラインはボールの位置に応じて上げ下げする。2017年11月に就任したピッツィ監督は、短い準備期間でロシアワールドカップを戦ったが、そこからパスワークの練度を大きく上げており、パスとコンビネーションで相手のディフェンスを崩すスタイルが形になってきている。

 そのスタイルに明確なアクセントと決定力をもたらすのが1トップのアル・ムワッラド。ディフェンスの裏を狙う動きを繰り返しながら、ボールの動きに応じて2列目の選手に絡み、ディフェンスの中央をかき回して来るのだ。しかし、サウジアラビアのそうした特徴こそ、日本にとっては付け入る隙でもある。ここでは“3つの隙”をピックアップする。

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サウジの守備がもろくなる時は…