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「おじちゃま」と寅さんを呼んだゴクミが帰ってきた

連載「あの人ってば。」

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矢部万紀子dot.#矢部万紀子
記者会見で笑顔の後藤久美子と山田洋二監督(c)朝日新聞社

記者会見で笑顔の後藤久美子と山田洋二監督(c)朝日新聞社

「男はつらいよ!寅次郎紅の花」の撮影現場 浜辺に立つ、左から寅さん役(渥美清さん)、リリー役(浅丘ルリ子さん)、満男の恋人・泉(後藤久美子さん)(c)朝日新聞社

「男はつらいよ!寅次郎紅の花」の撮影現場 浜辺に立つ、左から寅さん役(渥美清さん)、リリー役(浅丘ルリ子さん)、満男の恋人・泉(後藤久美子さん)(c)朝日新聞社

矢部万紀子(やべまきこ)1961年三重県生まれ、横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』

矢部万紀子(やべまきこ)1961年三重県生まれ、横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』

「男はつらいよ」が2019年12月に復活するという。「おかえり、寅さん」の制作発表会に後藤久美子さんがいた。1995年、渥美清さんの死の前年に公開されたシリーズ48作「寅次郎紅の花」に出演して以来だから、24年ぶりのスクリーン復帰となる。

【写真】在りし日の渥美清さんと後藤久美子さん

 後藤さんはそこで、こう言っていた。

<ジュネーブの自宅に山田監督からお手紙が届きまして、「君が必要だ。どうにか考えてもらえないだろうか」と。山田監督から呼び出されたら、はい、と一つ返事で行くんです。そう思いました。>

<ブランクなんですが、ほんのちょっとおいとましていて、また戻ってきて、「おかえり」「ただいま」という感じです。とてもあたたかく迎え入れていただいて、とても心地よい現場です。>

 年をとったせいだと自覚しているが、このところノスタルジックな日本語を使われると、それだけで感動してしまう。この会見で後藤さんの使った「一つ返事で行くんです」と「ほんのちょっとおいとましていて」に「ゴクミ、やるじゃん」な気持ちになった。

「一つ返事」は誤用というのは承知している。でも「二つ返事」のことだなとわかったから、ノープロブレムだ。だって自宅はスイスのジュネーブで、夫はジャン・アレジ。F1レーサーとフランス語で話している人(推測)が、懐かしい日本語を使ってくれた。それだけで十分にじーんと来てしまう。

 私は57歳の日本語しか話せない人間だが、「二つ返事」も「いとま」もずっと使ってない。公の席で「〇〇さんから呼び出されたら、はい、とソッコーで行くんです」とは言わないつもりだが、少し自信がない。

 それなのに44歳でフランス語の後藤さんが「二つ返事」&「いとま」。パチパチパチ。

 と拍手をした上で、少し別な話。後藤さんの「おじちゃま」問題、正確には及川泉ちゃんの「おじちゃま」問題だ。

 後藤さんの「男はつらいよ」初出演は1989年、第42作だった。寅さんの甥っ子・満男の高校の後輩であり、シリーズ最年少マドンナの及川泉役だった。この頃から渥美清さんの体調が悪くなっていったのだろう、寅さんの惚れっぽさをめぐるドタバタ比率が減っていき、恋愛模様は満男と泉が担っていった。


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