趣味はともに音楽。それだけで十分… ※写真はイメージ
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「私たち、結婚しました!」――続けて届いた2通の結婚報告はがき。お葬式に参列することのほうが増えていたというのに、まさか同年代である50代の友人から結婚話を聞かされるとは。もしかして、と調べたところ、ここ20数年で50歳前後の結婚増加が判明。総数から見れば少ないものの、“50歳からの結婚”が増えていることは間違いないようだ。連載「50歳から結婚してみませんか?」では、結婚という大きな決断を50歳で下すことになった女性の本音とリアルに迫る。第15回は、わずか5カ月でスピード婚をした白井清美さん(仮名・51歳・会社員)の前編をお届けする。

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 年齢的なことや子ども産むリミットなどを考えて、結婚を焦ったことはなかったという白井清美さんだが、今までに一度だけ自ら強く結婚を望んだことがあった。

「30代当時につき合っていた彼との結婚を望んでいたんですが、『自分は一生結婚はしないから』と宣言されて……。ショックと建設的ではない恋愛に疲れて結局自分から別れを決めました。でも、嫌いになって別れたわけじゃないので、結構引きずっちゃって、立ち直るまでに時間がかかりました。彼はバツイチだったんですが、もちろん、私はそんなことは気にしていませんでしたし、それが結婚の障害になるとも思っていなかったんです。でも、どうも彼はそうじゃなかったみたい。よほど結婚生活が彼に合っていなかったのかもしれませんし、私には想像できないいろんな事情がきっとあったんだろうな、と今なら、そう思えますが、当時はそんなところまで考えが及ばなかったです。若い頃は、『仕事がいちばん』という男性に惹かれることが多くて、まさに、彼もそのタイプだったんですね。そうじゃない男性だったら、もっと早く結婚していたかもしれませんね」

 傷心を抱え、しばらくは恋愛も、結婚も考えない生活だったが、40代になって再び、結婚を考えるようになった。だからといって、焦る気持ちはなかったのだが、周囲の勧めもあり、お見合いを何回かした。ところが、構えすぎてしまい、自分には向いていないと思ったそうだ。

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そんなとき出会ったのが…