■趣味の音楽を通じて人生の伴侶と巡り合う

 そんなとき、趣味の音楽を通じて出会ったのが今の夫。

「子どもの頃から、ずっとピアノを習っていたこともあり、音楽はいつもそばにあったので、演奏するのも聴くのも、そして歌うことも大好きだったんです。でも、仕事が忙しく音楽から、ずっと遠ざかってしまって。そんなときに友人が胃がんで亡くなったという知らせがあり、『自分もいつ死ぬかわからない』と死を身近に感じ、好きな音楽を再開しようと思ったんです」

 友人の死をきっかけに再び音楽と向き合うことになり、知人に紹介された先生のヴォーカル教室に通い、レッスンに励んだ。

「久しぶりに歌ってやっぱり音楽っていいなとあらためて思いました。演奏している間は、イヤなことなんかも忘れちゃいますから。ただ、本当はバンドを組みたかったんですが、友人たちも忙しくて、なかなかメンバーが集まらなかった。ネットで探すという方法もありましたが、それにはちょっと抵抗があったので、バンドを組むことは、いったんあきらめて個人で歌を楽しんでいました」

 そうこうしているうちに500~1000円程度の料金を払うと演奏できるライブハウスのイベントをヴォーカル教室の先生に紹介された。

「行ってみると女性よりも同年代の男性が多くて驚きましたが、話してみたら、初対面とは思えないほど、気が合ったんです。このときのイベントで出会ったのが夫です。この頃は学生時代の女友だちと会っても夫や子どもの話ばかりで、結婚もしていない、子どももいない私とは話が合わなくなって正直ちょっとうんざりしていたので、音楽の話ができるのがすごく楽しかったし、うれしかったですね。自然にそのときの仲間と週末に集まるようになって週末がとても待ち遠しかったです」

■体調を崩し、3カ月の療養を余儀なくされる

 音楽仲間もでき、心身ともに充実した日々を過ごしていた白井さんだが、ある時期突然体調を崩し、療養を余儀なくされた。

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3カ月入退院を繰り返し…