僕が仲間のディレクターとプロデューサーと3人で一生懸命作っているYouTubeの「カンニング竹山~拝啓テレビ局様チャンネル」も、30万再生でバズったとか喜んでいるのに、何だこの違いはと思うわけですよ。



 結局、ネットってガチ喧嘩とか放送事故とか、そういうことが好きですよね。もう7年ぐらい前になるけど、サンミュージックで作った「たけチャンネル」っていうYouTubeは完全にコント。だけどいまだに「ガチかネタか」っていうコメントがずらっと並んでいる。あれは動画を10本作ったら100万円の予算が下りるという話があって、台湾旅行しながら動画回して、みんなの旅費にしようって計画だったんですよ。それなのに、締切前日にマネージャーが「ごめん、言うの忘れてた」って言い出して、いますぐ10本作ろうって、放送作家とディレクターと僕で15分で考えて、ディレクターと僕が喧嘩するってコントを4時間で撮ったんです。そうしないと100万もらえなくなるから。

 ネットで喧嘩がウケるのは、ハプニング性を望んでいるんでしょうね。予定調和じゃないものが見たいってことでしょ。でもそれをテレビでやると視聴者もすごく問題にするんですよ。テレビでそんなことやっちゃいけないって。でも動画だったら良いと思っているところがありますよね。

 僕らの「拝啓テレビ局様チャンネル」は20万、30万って見てくれるようになったんだけど、それの書き込みを見ると、面白いかどうかってうコメントももちろんあるけど、テレビと比較されることが多いなと思う。これテレビでやったら面白いとか、逆に動画だから面白いんだとか。YouTubeだし、子どもが書き込んでいることが多いと思うんだけど、テレビと動画を分けて考えている子が結構いるんだなとわかるんですよね。

 ユーチューバーが何かをやってみたりする単純な動画を、子どもたちが喜んで見て、すごい再生回数が上がったりするんだけど、実はそれをテレビでやってるとクソつまんねえ番組になる。あれはテレビではボツになるネタですからね。だから見ている子たちも考えが変わってきているんだと思う。動画には嘘がないと信じきってますよね。でも、実はそうじゃない。
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エンターテインメントはほとんどヤラセ