──圧力を速見さんも感じたのか。

 そうですね。相手側がどういう理解で言っているのかというのは、最後は人と人なので受け止められないこともあると思うのですが、私自身は2020に入っていないことによってNTCの利用制限はかかりましたし、「代表も派遣しなかった」と言われたこともありましたので。

――誰に?

 (塚原)強化本部長から。私はそう捉えました。

――引き抜きや圧力を受けていた?

 私は体操会にまだ8、9年目なんですけど、いろんな先生方から「女子の体操界は……」聞かされてきたものがあったので、「次は宮川選手の番なのかな」というのはありました。

――今の話だと、朝日生命体操クラブから3回は引き抜きを受けた?

 それが引き抜きという認識なのかは私には本人でないのでわからないのですが、事実として、2020に入っていないことによっての制限、海外派遣をされないという事実があったので。ある程度提示された指示に従って、言うことを聞かないと、圧力として制限がかかったのかなと思いました。

――塚原夫妻は引き抜きはないと言っているが。

 本当に純粋な気持ちで(選手を)良くしてあげようという気持ちを持っていらっしゃるのは確かだと思うんです。それだけの思いをもって言ってくれているので、こちらとしてもいろんな思いや計画やプラン、今後、どのようにやっていけば宮川選手のためになるのかと思い描いているところがありました。それでお断りさせていただいたこともあった。声をかけていただいているのは感謝しているのですが、それによって(NTCの利用などで)制限がかかってしまったとなると、どうしても圧力は感じてしまうことはありました。

(文/西岡千史・AERAdot.編集部)