――その理由とは。

 そこに関しては、はっきりとわかることではないです。

――どう受け止めましたか。

 7月15日の段階で、周りのコーチから暴力問題の話があがってきているというのを耳に挟んでいたので、それが原因だと思いました。

――宮川選手は会見で暴力は認めたが、朝日生命の引き抜きが考えられていたということでしたが。

 100%そうとは思っていませんが、そういう可能性もゼロではないのかなとは少し思いました。

――朝日生命からの勧誘があったのは事実か。

 宮川選手が、中学校3年生の秋から冬だと思うんですが、朝日生命のコーチの方から電話で連絡をいただいて、コーチと宮川選手と一緒に来てくれないかと。話をしたいので、食事に行きませんかというお誘いを受けまして。(朝日生命の)コーチとは、もともとは知り合いだったので、食事に行かせていただいた。その中で、宮川選手とコーチの私と「セットで朝日生命に入って欲しいということを、塚原光男先生に頼まれて今日は食事に誘った」と言われました。私自身もこれからどうしようと思い描いているものがたくさんあったので、「お言葉は嬉しいのですがお断りさせていただきます」と言わせていただきました。それが初めての時です。

 次は、明確に覚えているところだけ言わせていただきますと、モントリオールで、宮川選手が直接言われたわけではないですが、モントリオールの時に(塚原強化本部長の)付き人の方から、現地に行って二日目、ウォーミングアップをしている時間帯に「2020(2020東京五輪特別強化選手特別強化対策)」の特別強化に宮川選手が属していなかったので、そこで付き人の方から「今後のオリンピック、海外派遣について誰が決めるか、誰がそれを決めるか知ってる?」と聞かれて。「わかりません」といったら「それは強化本部長が決めるんだよ」と言われました。「2020に入って、朝日生命に入るとすごく良くしてくれるのよ」と言われたのですが、気持ちとしてはありがたいと思ったのですが、そんな簡単に決められることではないのでその時もお断りさせていただきました。

 今回の合宿は私がいなかったのですが、宮川選手が会見でもお伝えした通りなんですけど、今までそういう経緯があったので、「朝日生命でやればこれだけ良いことがあるんだよ」と言われて、宮川選手がそう感じたのは事実だと思います。

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