「4~5年前だったら合格していた生徒が、2018年度入試では不合格になっています」
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7月に河合塾・千葉現役館で行われた大学入試情報ガイダンスで、須貝康輔館長が高校生とその保護者にそう伝えると、みな真剣な眼差しに変わった。さらに、18年度のセンター試験、国公立大の入試結果について説明したあと、「早稲田大の合格者が2年間で3444人減った」という衝撃の数字を提示。そして、こう続けた。
「人気の大学では、志願者数が増え続けているのに、合格者は減り続けています。そのため、今までであれば合格していたかもしれない生徒が、18年度入試では不合格になっているケースも散見されます。19年度入試も厳しい入試になります」
続けざまの厳しい言葉に会場には緊張が走り、来場者は須貝館長のアドバイスに真剣に耳を傾けていた。ガイダンス終了後に、出席していた保護者に話を聞くと、「高3生は、うちの子どものようにミレニアムベビーが多いです。昨年よりも現役生の数が増え、浪人生も多いと聞いて、とても不安……」と語っていた。
■地方の大学に学生は増えたが、都市部では…
16年度から始まった入学定員管理の厳格化によって、各大学が合格者を絞り込んでいる。そのため、河合塾に限らず全国の予備校で東京・大阪・名古屋の三大都市圏を中心に浪人生が増えているという。
教育にふさわしい環境確保のために、三大都市圏の大規模大学への学生の集中を是正し、地方の大学の定員充足率を上げるための政策として行われた「入学定員管理の厳格化」により、大規模大学の入学定員超過は是正され、地方の大学によっては学生が増えた。
一方で、18年度入試のセンター試験の志願者数をみると、現役・既卒ともに増加していることがわかる。この2年間で浪人生が増えており、私大文系を中心に難化が続いている。
となれば、予備校は増える浪人生の入校で喜びの声を上げているかと思いきや、ある予備校関係者から、こんな声が聞こえてきた。
「実は、3月下旬に辞退の連絡が入り、困惑しています」
3月下旬といえば、ほぼ全ての大学で合格者が出揃っているはず。ゆえに、この段階で入校を辞退されることは予備校側もあまり想定していない。だが、関係者はこう漏らす。