<正直に生きるということがこれまでの自分の人生であまりなかったことかも知れません。しかし今回は人生の一大決心であり、ここで信念を貫かなければ一生受動的な人間に陥ってしまうことが嫌でした。つらいことがないといったら嘘になりますが、自分で選んだ道だから後悔はしていないし、自信を持って歩んでいくつもりです。>

 ね、ピュアでしょ。計算高い動き、苦手そうでしょ。

 サマータイム制度に話を戻すと、船田さんはオリパラの選手・観客のために「やむを得ない措置」とした上で、どうせなら恒久的な制度にすべきで、そのためにはデメリットを丁寧に解決していくべきだと書いている。ね、真面目でしょ。

 そこで止めればよかったのだが、自分なりの解決策を書いてしまう。ほら、真面目だから。そして解決策は、ツッコミどころ満載。

 「ゆるいおぼっちゃま」と言ってしまえばそれきりだ。でも2世、3世が跋扈する政界で、ピュアで真面目で計算高くないおぼっちゃまって、すごく貴重だと思う。

 安倍一強の自民党は、かなり息苦しい炭鉱だ。船田カナリアには、これからもぜひ鳴き続けてほしい。(矢部万紀子

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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