■衝撃の倍率62.8倍

 センター試験利用入試や英語外部試験利用入試、統一日程入試、合格者数が少ない学部・学科だと、20倍を超える学部・学科も少なくない。青山学院大地球社会共生個別学部A方式は、受験者数942人に対して合格者数15人なので、なんと62.8倍という驚愕の倍率となった。

 第一志望であることが多い国公立大と違い、私大は何校でも受けられるため、合格者が入学する「歩留まり」を読むのが難しい。前述のとおり、基準を超えると私学助成金をカットされるため、定員超過の懸念があった大学は苦肉の策とも言える。

 早稲田大が、2020年度の「入試改革元年」に向けて、一般選抜の改革を発表した。そのなかには、看板である政経学部の定員を450人から300人に減らすという定員減もある。背景には、学生のレベルを維持したいという思いに加え、入学定員管理の厳格化の影響もある。

 このように、今後、私大入試はどんどん難しくなっていくことが予想される。少子化だからといって安心してはいられないのだ。

 全入時代になっても、「定員割れするような知名度が高くない大学には入りたくない」「浪人してでも難関大を目指したい」という生徒は増えるだろう。入学定員管理の厳格化によって、今後は浪人生続出の厳しい入試が続く。いままでは「滑り止め」と考えていた大学に不合格、といったケースも少なくない。当然といえば当然かもしれないが、高3になってから慌てないよう、早い時期からコツコツと勉強を続けることが大切だ。

(文/庄村敦子)