脱力系ラップの「一発屋芸人」ジョイマンの再ブレイクの切り札 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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脱力系ラップの「一発屋芸人」ジョイマンの再ブレイクの切り札

連載「道理で笑える ラリー遠田」

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ラリー遠田dot.#ラリー遠田

ジョイマン (c)朝日新聞社

ジョイマン (c)朝日新聞社

「運動は大事、板東は英二」「ありがとう、オリゴ糖」「いきなり出てきてごめーん、まことにすいまめーん」

 そんな脱力系ラップのネタで一時代を築いたのがジョイマンである。ヒップホップやラップというものが1つのカルチャーとして定着した今の時代から振り返ってみると、「あれのどこがラップなんだ」という感じのナンセンスな代物だが、そこが斬新でもあった。ジョイマンは2008年に爆発的なブレークを経験し、CMにも出演するほどの売れっ子になった。しかし、その後、人気は徐々に落ちていき、「一発屋」と呼ばれるようになってしまった。

 そんな彼らが再び脚光を浴びたのは、2014年に起こった「サイン会0人事件」である。ジョイマンの高木晋哉がツイッターで1枚の写真を公開した。そこに写っているのは、デパートの一角にあるブースでたたずんでいる2人の姿。彼らは片手にペンを持ち、サイン会を行っている。

 しかし、彼らの前には1人の人影もない。この日、彼らはサイン会を行ったにもかかわらず、客が1人も集まらなかったというのだ。この渾身の自虐ネタはウェブ上で話題になり、彼らは一時的に注目を集めた。「一発屋芸人」の汚名を着せられていたジョイマンは、ここで「開き直る」という武器を手に入れた。

 そして最近、また新たなプロジェクトが始動した。5月14日に行われた単独ライブで、チケットが完売しなければ解散すると発表したのだ。会場のルミネtheよしもとの座席数は458。10年前に行われた単独ライブでも定員100人の会場で20人しか集まらなかったという彼らにとって、ここを埋めるのは容易なことではない。それでも、自身のクビをかけて、彼らは決死の勝負に挑んだ。

 幸いにも、チケットは見事に完売。このことはネットニュースでも大きく取り上げられ、話題作りにも成功した。「一発屋」というのは不名誉な称号ではあるが、彼らにはそれを自らネタにするしたたかさがあった。



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