オリックス・田嶋大樹 (c)朝日新聞社
オリックス・田嶋大樹 (c)朝日新聞社

 開幕から1カ月半、シーズンの約4分の1の試合数を終えた中、今年のルーキーたちはどのような活躍をしているのか。ここまでの働きを、セ・パのリーグ別に振り返りたい。今回はパ・リーグ編だ。

 育成契約を除いて投手22人、野手17人が入団したパ・リーグ。5月16日時点で、投手陣では計4人、野手陣では計5人が1軍デビューを果たした。

 投手陣では、田嶋大樹(オリックス)の働きが目立つ。JR東日本からドラフト1位でプロ入りすると、開幕2戦目の3月31日のソフトバンク戦で5回を1安打1失点に抑えて、プロ初登板初先発で初勝利。続く4月7日の西武戦では4回途中6失点と打ち込まれたが、同19日のロッテ戦では7回2安打無失点の快投で2勝目。さらに4月30日、5月6日のソフトバンク戦でも白星を掴み、ここまで6試合で4勝2敗、防御率3.74。高い修正能力を見せながら“鷹キラー”を襲名し、最多勝争いにも加わる可能性もありそうだ。

 中継ぎで存在感を示しているのは、西村天裕(日本ハム)だ。NTT東日本からドラフト2位で入団し、即戦力ルーキーの期待通りに開幕から1軍ブルペン陣の一角を担い、質の高いストレートを武器にチーム2位タイの17試合に登板。1勝1敗6ホールドで防御率2.57の安定感を示している。計14イニングで13奪三振と三振を奪えている点も評価できる。また、四国アイランドリーグ・徳島からドラフト3位で入団した伊藤翔(西武)も、19歳ながら開幕1軍入りを果たし、ここまで8試合に登板。0勝0敗0ホールド、防御率3.00とまだ明らかな成果は出ていないが、楽しみな存在としてすでにファンには認知させた。

 セ・リーグに比べて、パ・リーグでは野手陣の方が目立っている。社会人ルーキーコンビ、藤岡裕大と菅野剛士(ともにロッテ)は開幕から1軍でプレー。特にトヨタ自動車からドラフト2位で入団した藤岡は、ここまで全35試合に遊撃手としてスタメン出場。打率.254、2本塁打、15打点以上という成績に加えて、2戦連発弾や連敗を止める猛打賞など印象に残る活躍を披露している。日立製作所からドラフト4位で入団した菅野も開幕スタメンに名を連ねて、タイムリーを放った3戦目には藤岡と2人でお立ち台に立った。ここまで26試合出場で打率.203、1本塁打、14打点。最近は結果が出ずにスタメン落ちが続いたが、定位置の再奪取を諦めてはいない。

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