「役所さんがいろんな所で起用される正確な理由は定かではないですが、とにかくおいしそうに飲むんですよね。それ以外にもDAIWAハウスなど、ナショナルクライアントのCMをたくさんこなしていますし、好印象の俳優であることは間違いない」(同)

 たしかに役所といえば、いわずもがな日本最高峰の役者だろう。映画への作品も数知れず。5月12日からは主演を務める『狐狼の血』も公開された。俳優になる前はもともと公務員だった役所だが、仲代達矢の舞台に感銘を受け、仲代主宰の俳優養成所「無名塾」に入塾。元役所勤務ということでその芸名が付いたと言われている。デビューしてから、あまたの映画やドラマに出演し、存在感を放ってきた。

「役所さんは個人事務所に所属していて、奥さんが社長を務めています。出演する芝居もすべて自分たちで決められるんです。大手事務所のしがらみがなく“芸能行政”とは無関係なので、とにかくこの役は役所さんに、という純粋なキャスティングでのオファーになる。それも主演だけじゃなく、3枚目もいけますから、出演本数も伸びるでしょう。さらに一説によると、どんな小さな舞台でもスケジュールさえあれば断らないと言われています。もちろんカメオ出演(ほんの短い間の出演)ですが。実際無名の映画にもちょっとした役で出演していたりするんです。若手の役者にも気さくに話しかけてくれるような人です」(民放ドラマプロデューサー)

 今や国内だけでなく、海外の作品にも出演する役所広司。ブラッド・ピットやキーラ・ナイトレイなどハリウッドの大物俳優たちとも共演を続けるうえに、国際映画祭での受賞も多い。CMだけではなく、テレビやドラマでも彼を見ない年はないというほどの活躍ぶりだ。「同じくハリウッドで活躍してた渡辺謙さん(58)が不倫問題でミソが付いてしまっただけに、さらに1段上がって見られるかもしれません」(同)という分析もある。

 スキャンダルからも無縁な役所広司の好感度はとどまることを知らない。今後も、映像作品やCMに出演し続けていくだろう。(ライター・今市新之助)