ランニングを終えた後の大谷=4月6日 (c)朝日新聞社
ランニングを終えた後の大谷=4月6日 (c)朝日新聞社
味方選手の本塁打でチームメイトとハイタッチを交わす大谷=4月6日 (c)朝日新聞社
味方選手の本塁打でチームメイトとハイタッチを交わす大谷=4月6日 (c)朝日新聞社

 米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手(23)は日本時間の9日、エンゼルスタジアムで本拠地初登板し、7回を被安打1無失点、毎回の12奪三振で今季2勝目を挙げた。打者としてはすでに3試合連続本塁打を記録。メジャー・リーグでの鮮烈デビューは、日米メディアの注目の的になっている。

【写真】仲間の本塁打にベンチでチームメイトと大喜びする大谷翔平

 日本で築き上げた「投打二刀流」で米国でも結果を出したことで、1918年のベーブ・ルース以来となる「2桁勝利&2桁本塁打」への期待も高まっている。だが、すべての人が二刀流・大谷を認めているわけではない。日本ハム在籍時代から、二刀流については賛否両論が飛び交っていたのは周知の事実だ。

 なかでも野球評論家の江本孟紀氏は、一貫して二刀流に疑問を呈してきた。米国で結果を出した後もその意見は変わらず、「二刀流を続ける限り、超一流選手にはなれない」と断言する。江本氏にその真意を聞いた。

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──大谷がさっそく結果を出したことで、日米で投打二刀流への期待が高まっています。

 期待しているのはファンとメディアだけ。プロ野球を経験した人は、そうやって大谷を見ていません。

 そもそも、『二刀流』の成功基準をどこに置くのか。中6日で登板し、その合間にDHで出場することが二刀流なら、基準が低すぎる。

 私の現役時代は中4日で登板して、毎試合3打席ぐらいは打席に立っていました。2打席連続でホームランを打ったこともある。堀内恒夫(元巨人)など、エースクラスの投手もホームランをよく打ってました。しかし、少なくともプロの世界ではそれを『二刀流』とは言いませんよね。

 プロの目から見た『二刀流』の本当の成功とは、1シーズンを通して先発ローテーションを守って20勝、さらに野手として全試合出場出場して、ホームラン王もしくは首位打者などのタイトルを取った時です。それが今の大谷にできますか? まず不可能です。

──「不可能」と断言できるのはなぜですか?

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二刀流では記録が残らない?