記者会見の場でプロゲーマーの実力を披露(撮影/田中将介)
記者会見の場でプロゲーマーの実力を披露(撮影/田中将介)
「吉本興業eスポーツ事業」の記者会見に出席した吉本興業所属のタレント(撮影/田中将介)
「吉本興業eスポーツ事業」の記者会見に出席した吉本興業所属のタレント(撮影/田中将介)
プロゲーマー・ジョビンと対戦する次長課長・井上(撮影/田中将介)
プロゲーマー・ジョビンと対戦する次長課長・井上(撮影/田中将介)
司会を努めたロンドンブーツ1号2号の田村淳(撮影/田中将介)
司会を努めたロンドンブーツ1号2号の田村淳(撮影/田中将介)
eスポーツ事業参入の意気込みを語るよしもとクリエイティブ・エージェンシーの星久幸スポーツ事業センター長(撮影/田中将介)
eスポーツ事業参入の意気込みを語るよしもとクリエイティブ・エージェンシーの星久幸スポーツ事業センター長(撮影/田中将介)

 芸能事務所の吉本興業が、eスポーツ事業に参入する。

【記者会見に出席した吉本興業所属のタレントの写真はこちら】

 eスポーツは、コンピューターゲームやビデオゲームの対戦をスポーツ競技として捉えるもので、五輪での正式種目化になる動きも見せている。

 オランダに本社を構える市場調査会社「Newzoo」によると、世界のeスポーツ市場は2020年までに15億ドルに達し、オーディエンスは5億人超と試算されている。

 実際に、先日閉幕した平昌五輪の開催前に、史上初めて五輪が公認した「eスポーツ大会」が江陵市で開催されており、eスポーツの歴史の転換点となったという。

 7日に開かれた吉本興業主催の会見で、よしもとクリエイティブ・エージェンシーの星久幸・スポーツ事業センター長は「エンターテイメントの会社として、eスポーツ事業に参入するというのは自然な流れだと思っている。本気で(eスポーツの)世界一を獲ることを目標としてチームをつくり、また、芸人の才能を延ばして活躍の場をつくりたい。吉本興業の事業を活かして、日本におけるeスポーツの認知と競技人口の拡大、競技力の向上に寄与していく」と語った。

 吉本興業によるeスポーツ事業は、「プロチームの運営」「ゲーム実況配信」「イベント・大会の実施」の、3つの柱を軸にしている。

 会見では、プロゲーマーとして契約するジョビン、西澤祐太朗(裏切りマンキーコング),小池龍馬(マケレレ)ら3人も姿を表した。

「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳が司会を務め、ゲーム好きとして知られるお笑いコンビ「次長課長」の井上聡、「トータルテンボス」の藤田憲右、「しずる」の池田一真、お笑いトリオ「パンサー」の菅良太郎も参加し、実際にプロゲーマーと格闘ゲーム「ストリートファイターV」で対戦した。

 ハンデをもらったにも関わらず、手も足も出ないまま完敗したトータルテンボス藤田は「ほのぼのした場だと思って会見に来たのに、今、完全に心が折れています。僕は『動物の森』のような野菜を育てるゲームのほうが好きです」と、肩を落としていた。

 旧日本eスポーツ協会元理事、慶大教授の中村伊知哉氏は「eスポーツは新しい産業や文化になっていく。日本は後進国だったが、ようやく本格的になり、日本でもeスポーツ大会を開くことができるようになる。プロのライセンス制度などが整うことで、海外の大会に日本代表として派遣することができる、つまり、スポーツビジネスとして成り立つようになる。吉本興業が新しいeスポーツの楽しみ方を開発していってくれるのでは」と期待を込めた。

 プロゲーマーの給与体系についての話題になり、「月給制で渡航費なども支援される」と耳にした芸人たちは驚きを隠せず、藤田は「何もしなくても、給料もらえるの?」と質問。プロゲーマーが「家でゲームをしているだけ」と答えると、田村淳が「それもトレーニング」とすかさずフォロー。藤田は「我々、お笑い芸人が居酒屋で面白いことを話して、誰かを笑わせるのもトレーニングなので、その居酒屋代も払ってくれるんですか?」と笑いを誘った。

 日本でも今年2月に「日本eスポーツ連合」が設立されており、前出の星氏は「具体的に一緒に取り組んでいくことは決まっていないが、今後ご一緒させていただく機会もある」と話し、eスポーツの今後の普及に協力していく姿勢を見せた。司会の田村淳は、「吉本が何か権利を強く主張して、eスポーツ業界からはじかれないように、(日本eスポーツ連合と)うまくやっていただきたいと思います」と締めくくった。(田中将介)