メジャーでは主に救援として活躍した上原浩治(写真・Getty images)
メジャーでは主に救援として活躍した上原浩治(写真・Getty images)

 例年以上に動きが鈍いと言われているメジャーリーグFA市場。日本人選手ではキャンプイン目前に青木宣親が古巣のヤクルトに復帰したが、ここへ来て上原浩治も日本球界への復帰を検討しているという報道が流れた。今年で43歳を迎え過去2年間の防御率は3点台と打ち込まれる場面も増えているが、まだまだその力は健在。特にリリーフに転向した2010年から8年連続で投球回を上回る奪三振をマークしていることは見事の一言である。そんな上原を最も必要とし、またフィットする球団はどこになるのか。現在のNPB12球団の戦力から探ってみた。

 上原に求められる役割はもちろん勝ちパターンでのリリーフである。そこで12球団の昨年のリリーフ防御率と、今季のクローザー、セットアッパー候補の昨年の成績を並べてみると下記の通りとなった。

ソフトバンク リリーフ防御率:2.80
クローザー:サファテ 66試合2勝2敗54セーブ3ホールド 防御率1.09
セットアッパー:岩崎翔 72試合6勝3敗2セーブ40ホールド 防御率1.99

西武 リリーフ防御率:3.34
クローザー:増田達至 57試合1勝5敗28セーブ4ホールド 防御率2.40
セットアッパー:ワグナー(新外国人)

楽天 リリーフ防御率:3.32
クローザー:松井裕樹 52試合3勝3敗33セーブ5ホールド 防御率1.20
セットアッパー:福山博之 65試合6勝0敗7セーブ23ホールド 防御率1.06

オリックス リリーフ防御率:3.75
クローザー:増井浩俊 52試合6勝1敗27セーブ7ホールド 防御率2.39
セットアッパー:近藤大亮 55試合1勝1敗1セーブ25ホールド 防御率3.07

日本ハム リリーフ防御率:3.16
クローザー:トンキン(新外国人)
セットアッパー:鍵谷陽平 60試合2勝3敗1セーブ17ホールド 防御率2.53

ロッテ リリーフ防御率:4.44
クローザー:内竜也 50試合5勝1敗16セーブ11ホールド 防御率2.94
セットアッパー:大谷智久 55試合3勝2敗0セーブ23ホールド 防御率3.12

広島 リリーフ防御率:2.77
クローザー:中崎翔太 59試合4勝1敗10セーブ25ホールド 防御率1.40
セットアッパー:ジャクソン 60試合2勝2敗1セーブ30ホールド 防御率2.03

阪神 リリーフ防御率:2.68
クローザー:ドリス 63試合4勝4敗37セーブ5ホールド 防御率2.71
セットアッパー:マテオ 63試合7勝4敗0セーブ36ホールド 防御率2.75

DeNA リリーフ防御率:3.92
クローザー:山崎康晃 68試合4勝2敗26セーブ15ホールド 防御率1.64
セットアッパー:パットン 62試合4勝3敗7セーブ27ホールド 防御率2.70

巨人 リリーフ防御率:3.42
クローザー:カミネロ 57試合3勝5敗29セーブ4ホールド 防御率2.42
セットアッパー:マシソン 59試合4勝4敗2セーブ27ホールド 防御率2.24

中日 リリーフ防御率:3.99
クローザー:田島慎二 63試合2勝5敗34セーブ6ホールド 防御率2.87
セットアッパー:鈴木博志(ルーキー)

ヤクルト リリーフ防御率:4.35
クローザー:秋吉亮 43試合5勝6敗10セーブ10ホールド 防御率3.35
セットアッパー:石山泰稚 66試合3勝6敗0セーブ24ホールド 防御率3.03

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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上原に最適な球団は?