「50歳現役」を目指すイチロー(写真:Getty images)
「50歳現役」を目指すイチロー(写真:Getty images)

 昨季、イチローは44歳にしてマーリンズの控え外野手を務め、現役最年長野手として元気に1年間プレーをした。稀代の天才打者は「50歳まで現役でいたい」と常々述べており、来季も現役続行を希望している。しかし、さすがのイチローも攻守共に衰えが隠しきれず、所属チーム探しは容易ではない。今オフはその去就に注目が集まっているが、引き取り手がないままメジャーでのキャリアを終えることになってもそう不思議ではないだろう。

 これほど生存競争が激しいMLBにおいて、“史上最年長野手”となったのはどんな選手なのだろうか。レコードブックに刻まれているのは、1940、50、60、70、80年代と、5つの年代にわたりメジャーでのプレーをした記録を持つミニー・ミノーソだ。

 全盛期には7度もオールスターに出場したミノーソは、54歳だった1980年シーズン終盤の2試合に代打出場し、ファンの喝采を浴びた。もっとも、キューバ出身のミノーソは1964年に38歳で一度は引退。ファンサービスの目的で1976、1980年にホワイトソックスから引っ張り出された形だった。

 この記録は確かに正式記録ではあるが、このミノーソを“メジャーで活躍した最年長選手”と呼ぶのは少々抵抗がある。悪ノリしたホワイトソックスは1990年に64歳だったミノーソを再び復帰させ、史上初の“6ディケード・プレイヤー(1940年代から90年代まで、計6つの年代でプレーした選手)”にしようとしたが、当時のMLBコミッショナーのフェイ・ヴィンセントから許可されなかったという事態にもなっている。

 実際に戦力としてプレーした選手の中では誰が最年長かといえば、日本でもおなじみのフリオ・フランコだ。1958年8月23日に生まれたフランコは、レンジャーズ、ホワイトソックス、ブレーブスなどで活躍。安定した打率が売りの中距離ヒッターで、1991年には首位打者を獲得した。1995、1998年には千葉ロッテに在籍し、主力打者として君臨した際の勇姿を覚えているファンもいるだろう。

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戦力として活躍し続けたフランコとイチローの共通点は?