スター・ウォーズとタッグを組んで宇宙まで線路を伸ばす気はないかおそるおそる聞いてみたところ、

「宇宙には行きませんが(笑)、私たちのネットワーク計画の中に、京急蒲田駅と東急蒲田駅を直結させる蒲蒲線構想があります。羽田空港へのアクセスをよくすると沿線の利便性も増しますし、国際的な意義が高まりますからね」(嶋田さん)

 と意外にまじめな答え。将来、東急は国際路線になるかもしれない。

■ルーカス・フィルムが手がけたコンセプトカー

 SF映画の金字塔であるスター・ウォーズの魅力のひとつに、優れたメカニックデザインがある。日産自動車の米国法人である北米日産はルーカス・フィルムのアーティストたちと組んで、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」をテーマに、ローグ(日本名エクストレイル)、アルティマ(日本名ティアナ)、マキシマ、ローグスポーツ、タイタンを大胆にカスタマイズした。

 たとえば、ローグを改造した「ポー・ダメロン・Xウイング with BB‐8」。Xウイングを華麗に駆るレジスタンスのスターパイロット、ポー・ダメロンの名を冠したこの車は、X状の翼とレーザーキャノンを装着している。さらに、ルーフ部分にはかわいらしいBB-8の姿が。

 ダース・ベイダーに心酔するカイロ・レンの戦闘機をイメージしたのが、マキシマを改造した「カイロ・レン・TIEサイレンサー」。カイロ・レンの黒い衣装と赤いライトセーバーを想起させる邪悪な色使いと大きな翼が特徴で、レーザーキャノンのほかミサイルを搭載しているという。

 残念ながらスター・ウォーズ特別仕様車の販売は予定されておらず、見るためには米国各地で開催されるモーターショーに行かなければならない。なんとか実際に運転することはできないのか日産の広報部に聞いたところ、

「バーチャルの世界なら可能です。スマートフォンを使って車を動かせます」

 北米日産の特設サイト「Command Your Craft」にアクセスすると、まずレジスタンスかファースト・オーダーのいずれかを選べ、レジスタンスを選んだ場合はスマホ上に「ポー・ダメロン・Xウイング with BB-8」が、ファースト・オーダーを選ぶと「カイロ・レン・TIEサイレンサー」が登場。スマートフォンの画面に向かってジェスチャー操作を行うと、これらの車が回転したり、上昇したりする動きを3Dで楽しめるのだ。

 この40年間、スター・ウォーズは新作が公開されるたびに世界中で話題になっているし、新しい世代をファンとして取り込み続けている。多感な少年少女期に旧三部作に出会い、胸を熱くした世代もいまや乗り物会社や広告代理店で広告予算の実権を握る年齢に達しており、かつて影響を受けた映画コンテンツを大胆に使ってプロモーションを楽しみ、自社とスター・ウォーズのファンを増やし続けているのではないだろうか。(アエラムック教育編集部・大室みどり)