リハビリでは通常、こうした自然な歩行を回復するため、膝関節の動きを固定して立脚を助ける長下肢装具、足関節の動きを固定して遊脚を助ける短下肢装具が用いられています。

 ウェルウォークのロボット脚は、患者が立脚時、遊脚時にどのように膝関節の曲げ伸ばしをおこなっているかを感知し、可動部のモーターを適切に制御することで自然な歩行をサポートします。つまり、長下肢装具と短下肢装具の長所を組み合わせ、患者ごとに異なる障害の程度に応じ、より長時間、多数歩の練習支援が可能になるというわけです。

 もう一つの特徴は、患者自身が正面の大型モニターで歩く姿勢を確認でき、正しく歩行できたときはチャイム、そうでないときはブザーが鳴るなどフィードバック機能が備えられている点です。

 また、医師・リハビリスタッフが歩行練習を適切に支援できるよう練習ガイド機能が設けられ、タッチパネルでアシスト機能の細かな調節もできます。日々のリハビリの状況が数値やグラフなどで示されるため、医師・リハビリスタッフが治療効果を客観的に把握でき、患者のモチベーション向上にも期待が持てます。

 ウェルウォークの開発担当者は、パートナーロボットの今後の展開について次のように述べています。

「当社は、進展する高齢社会において『すべての人に移動の自由を』を合言葉にパートナーロボットを提供していきたいと考えています。患者さんの『病気になっても早く回復したい』『不自由が残っても自分で行動したい』といった思いをサポートするため、今後ともさまざまな分野でパートナーロボットの実用化を進めてまいります」

(取材・文/小池雄介)