疑惑の渦中にある鶴保議員 (c)朝日新聞社
疑惑の渦中にある鶴保議員 (c)朝日新聞社
鶴保氏の後援会長への資金提供を証言するA氏 (撮影/西岡千史)
鶴保氏の後援会長への資金提供を証言するA氏 (撮影/西岡千史)

 前沖縄北方担当相で自民党二階派のホープとされる鶴保庸介参院議員(和歌山県選挙区)に重大疑惑が浮上している。

【写真】鶴保氏の後援会長への資金提供を証言するA氏

 鶴保議員は陳情を受けた鹿児島県の採石業者と大臣時代に7回も大臣室で面会を重ね、同議員の後援会長が、業者から「面会料」などの名目で数百万円の“裏金”を受け取っていたというのだ。この疑惑は「しんぶん赤旗日曜版」11月19日号で報じられたもの。

 渦中の鶴保議員は「私にはまったく身に覚えがない。そんな筋合いではない」などと報道陣に疑惑を否定している。

 アエラドットは鶴保議員の後援会長に”裏金”を提供したというA氏と接触。鶴保議員と面会するため、100万円を後援会長に要求されたことなど詳細な証言を得た。

 一方、後援会長はアエラドットの取材に「そんな事実はない」と反論した。

 匿名を条件に取材に応じたA氏は、鹿児島県南大隅町の採石業者だ。後援会長に資金提供した経緯について後悔の念をにじませながらこう証言した。

「怪しいとは思っていた。でも、それをやめる勇気がなかったんです」

 もともとA氏は、神奈川県内のB社と協力し、南大隅町の採石場で生産した石を、沖縄県の那覇空港や米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設工事、山口県の岩国基地の埋め立て工事などで使用してもらえるよう事業計画を立てていた。

 だが、事業は南大隅町の協力が得られずに難航。困り果てていた時に知人の紹介で出会ったのが、鶴保議員の後援会長だった。

「後援会長と初めて会ったのは2015年11月。16年2月には鶴保先生にはじめて会うことができました。場所は国会の中で、鶴保先生には、事業計画の資料を渡して鹿児島での事業の説明をして、『(南大隅町の協力を得るために)町長に会いたい』という話をしました」

 いわゆる「陳情」だ。陳情は永田町では日常的な光景の一つだが、面会の実現までには”裏”があったのだ。

 後援会長は、鶴保議員への面会料をA氏に要求。その額は100万円だったという。

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