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松本幸四郎、栗原小巻が語る今も愛される「黄金の日々」の魅力

連載「大河ドラマ誕生55周年の秘話」

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松本幸四郎 (c)朝日新聞社

松本幸四郎 (c)朝日新聞社

栗原小巻 (c)朝日新聞社

栗原小巻 (c)朝日新聞社

 主人公は安土桃山時代、堺の豪商・今井宋久の船で下働きをする助左(のちの呂宋助左衛門)。彼は琉球へ向かう途中に難破してルソン島に漂着したことから交易に目覚め、貿易で大富豪へと登りつめていく。

 その助左と終生相慕いつつも結ばれることのないヒロインの美緒を演じたのが栗原小巻さん。「三姉妹」「樅ノ木は残った」「新・平家物語」に続く4本目の大河への出演だ。美緒は堺の会合衆のひとり今井宗久(丹波哲郎)に養子として拾われる公家の娘。宗久の息子・宗薫(林隆三)と意に添わぬまま夫婦にされるが、終生助左衛門を慕い続けるという意志の強い女性。栗原さんは美緒という女性についてつぎのように語っている。

 「フィリッピン(ルソン島)の城塞、教会など異国情緒溢れる風景に着物姿が似合う現代的なイメージ。馬にも乗り、鉄砲も撃つ、新しい日本女性です。思慮深さと行動的な両面をあわせ持った、演じ甲斐のある女性像でした」

 幸四郎は本作について、「主人公の助左衛門はただ同然の呂宋の壺を秀吉に高い値をつけさせることで、他の大名に本当の値段の何万倍で売った人。だから大河ドラマが、“歴史ドラマ”から初めて“人間ドラマ”になった作品」と定義しているが、栗原さんにはどのように感じたのだろうか。

 「今も愛され続けるこのドラマの要素は、助左衛門、美緒という登場人物への共感、安土桃山という文化性、そしてドラマの中心に活気に満ちた堺という街があったからだと思います」

 キャスティングもユニークだ。大河3作目「太閤記」で脚光を浴びた秀吉=緒形拳と信長=高橋幸治が同じ役柄に扮して共演していることが話題になった。その他、状況劇場の根津甚八、東映京都の大部屋出身の川谷拓三、夏目雅子、名取裕子、竹下景子などが本作出演で人気スターになった。

 「変革」を掲げた「黄金の日日」は、これ以降の大河の可能性を大きく切り拓いたドラマとして語り継がれていくだろう。(植草信和)


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植草信和

植草信和(うえくさ・のぶかず)/1949年、千葉県市川市生まれ。キネマ旬報社に入社し、1991年に同誌編集長。退社後2006年、映画製作・配給会社「太秦株式会社」設立。現在は非常勤顧問。

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