建設中の加計学園の岡山理科大獣医学部 (c)朝日新聞社
建設中の加計学園の岡山理科大獣医学部 (c)朝日新聞社
2011年7月に開かれたパーティーに出席した加計孝太郎理事長と泰代夫人
2011年7月に開かれたパーティーに出席した加計孝太郎理事長と泰代夫人
加計泰代氏
加計泰代氏

 文部科学省の大学設置・学校法人審議会は10日、加計学園が新設を求めていた愛媛県今治市の獣医学部について、来年4月の開学を認める答申を林芳正文科相に出した。

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 獣医学部の校舎建設費は、今治市が加計学園に用地を無償譲渡し、県の支援も含めて最大96億円の補助金を出すことになっている。だが、安倍晋三首相の“お友達”である加計孝太郎理事長は数々の疑惑に沈黙したままで、これまで何の説明もしていない。

 それどころか、新たな問題も浮上している。獣医学部新設問題を追及する「今治市民ネットワーク」共同代表の村上治氏は言う。

「獣医学部校舎の設計は、大建設計と加計学園グループのSID創研が受注しているのですが、SID創研は加計孝太郎氏の妻である泰代夫人が取締役を務めています。夫から妻の会社に校舎建設の補助金が流れる仕組みです」

 SID創研などが今年3月に作成したとされる設計図では、獣医学部棟の最上階である7階にワインセラーやビールディスペンサーが設置されていることがわかり、野党議員から「学校教育機関上、何も関係ない」と批判されたこともある。

 加計学園は、後にワインセラーなどは設置しないことを発表したが、他大学の獣医学部に比べて建設費用が高すぎるなど、設計がずさんではないかとの批判も相次いだ。

 そもそも、SID創研は学校建設の設計を専門にした企業ではない。加計学園グループの学校で使われる図書類や卒業式衣装のレンタル、オフィスで使う事務用品の販売など、幅広い事業を手がけている。前出の村上氏は言う。

「加計学園が、設計が専門ではないSID創研に設計費用をいくら支出する契約なのかさえわからず、ブラックボックスの状態です。これでは、加計孝太郎氏が今治市民の税金をSID創研を通じてマネーロンダリング(資金洗浄)して、妻に流す装置なのではとの批判は残ります」

 獣医学部新設で重要な役割を担ったSID創研の取締役を務める泰代夫人だが、実は加計学園関係者の間でその存在が広く知られるようになったのはそれほど昔のことではない。加計学園の関係者はこう語る。

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