開票センターで記者の質問に答える枝野氏(撮影/西岡千史)
開票センターで記者の質問に答える枝野氏(撮影/西岡千史)
選挙選最終日に行われた新宿駅前での演説には8千人の聴衆が集まった(撮影/西岡千史)
選挙選最終日に行われた新宿駅前での演説には8千人の聴衆が集まった(撮影/西岡千史)

「今までの上からの政治を、草の根からの政治に変えていく。(今日で)終わりではなく、これからがスタートです」

【写真】8千人の枝野コールがおきた選挙戦最終日の新宿

 今回の選挙で「台風の目」となった立憲民主党(立民)の枝野幸男代表は、開票速報で躍進が伝えられると、こう話した。

 10月3日に結党されたばかりなのに、公示前勢力の16議席から大幅に増やし、50議席を超え、小池百合子氏率いる希望の党を追い越し、野党第一党が確実となった。

 東京都内のホテルに設けられた開票センターでは、立民の当選者が確定するたびに、関係者控え室から「おー!」という歓声と拍手が響いた。

 希望の党の小池代表から「排除」されて立ち上がった辻元清美氏、長妻昭氏、菅直人氏、阿部知子氏らリベラル派は次々と当確を決めた。

 与党関係者やメディアを驚かせたのは、選挙戦で見せつけた勢いのすさまじさだ。各メディアが公示後に実施した序盤情勢調査では、立民の獲得議席数は30程度と予想されていた。ところが、たった12日間で20議席を上乗せした。立民の関係者はこう話す。

「とにかく演説会での熱気がすごかった。聴衆がどんどん増えて、なかには枝野さんの演説動画をインターネットで見た高校生が、親と一緒に参加してきたこともあった。こういう人たちはメディアの情勢調査では把握するのが難しい。予想より議席は増えるだろうと思っていた」

 選挙戦最終日の同月21日に新宿駅前(東京都新宿区)で開かれた街頭演説会「東京大作戦FINAL」では、8千人の聴衆を集めた。これは、同日に安倍晋三首相が参加して秋葉原(東京都千代田区)で行った自民党の街頭演説会のよりも3千人多い(いずれも主催者発表)。

 新宿では、参加者が多すぎて一部で身動きが取れなくなるほどだった。

 演説で枝野氏が「『2017年10月22日、この日から日本の民主主義が変わり始めた』と後から言ってもらえるような、そんな歩みを進めていきたい」と訴えると、聴衆からは「エダノ! エダノ!」とコールが巻き起こった。

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