まずはできるだけそういう人と過ごす時間を減らすことです。そして、無駄に敵にしたり、追い詰めたりすることは絶対に避けなけてください。話すたびに自分にネガティブなことや嫌味なことをいってくるくらい暇でマイナス思考の人を敵に回したり追い詰めたりすることは、何のプラスもないどころか、かなり厄介なことになりかねないからです。

「それでもどうしても付き合わざるを得ない」。そう思ってしまっているあなたは、まず、その人と付き合うことが、自分の人生にとって本当に重要な意味を持つのか問いただしてみましょう。たいていの場合、意味があることの方が少ないと思います。自分の環境が自分を「この人と付き合うしかない」と洗脳しているのではないでしょうか?

 そして本当にどう考えても付き合わざるを得ないときは、できるだけ過ごす時間を短くしましょう。そしてできるだけ、その人と付き合ってくたびれて傷ついた自分を癒してくれるような人々に囲まれる時間をさらに増やす。そんなややこしい人との付き合いで受けたダメージを回復させてくれるような環境を、自分がコントロールできる範囲で作るのです。

 医療技術の進歩や健康情報のシェアで、われわれの人生はどんどん長くなっていきますし、社会保障制度や長期雇用の破綻で、われわれは引退という贅沢な選択肢を持てなくなるでしょう。しかし、同時に「人生はくだらない人と付き合う時間を確保するには短過ぎる」のです。できあがった大人である他人の性格や価値観を変えるのもほぼ不可能です。本当にそういう人とどうしても時間を過ごさなければいけないのか? まずは自分がコントロールできるオプションの総ざらいを始めましょう。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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