西武は菊池(右)の後釜を第一候補として狙いたい(c)朝日新聞社
西武は菊池(右)の後釜を第一候補として狙いたい(c)朝日新聞社

 今年も運命のドラフト会議が迫ってきた。甲子園を熱狂させた“あの選手”は一体どのチームに行くのか、野球ファンは固唾を飲んで見守っている。そこで、ニュースサイト「AERAdot.」では、年間300試合以上を現地で取材する、野球ライターの西尾典文氏に球団別のおすすめ選手を選んでもらった。今回は、今季パ・リーグ2位になった埼玉西武ライオンズだ。

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 7月から8月にかけての怒涛の13連勝もあり4年ぶりのAクラス入りを果たした西武。主砲の中村剛也と長年外野を支えた栗山巧に衰えが見られるが、山川穂高、外崎修汰、源田壮亮の台頭もあり、うまく世代交代できている印象を受ける。

 一方の投手陣は、エースの菊地雄星が将来的にメジャーへ移籍する可能性が高まってきた点が大きな不安材料だ。高橋光成、多和田真三郎、今井達也のドラフト1位トリオは今後が楽しみだが、全体的に底上げが必要なことは間違いない。

【おすすめ選手・その1】
東克樹:立命館大 投手 170cm 74kg 左投左打
 菊池の後釜を任せられる先発タイプの左投手として真っ先に推したいのが東だ。最大の武器はそのコントロール。ストレートも変化球も同じ腕の振りで投げられ、両サイドをきっちり突く制球力は見事と言う他ない。170cmと上背はないものの、年々下半身が大きくなり、今年はスピードも度々150キロ前後をマークするまでになった。試合を作る能力の高さは間違いないだけに、1年目からローテーション入りも期待できる。

【おすすめ選手・その2】
西村天裕:NTT東日本 投手 176cm 92kg 右投右打
 長年の課題である不安定なリリーフ陣の底上げとして獲得したい本格派右腕。帝京大時代はドラフト直前のひざの怪我で指名漏れとなったが、当時から上位候補でありそのパワーピッチングは社会人でも上位。150キロ前後のスピードとスライダー、フォークが武器で、ここぞの場面で三振を奪えるのは大きな魅力だ。今年の都市対抗は本調子ではなく打ち込まれて少し評価を下げたが、実力的には1位候補に入ってくる投手だけに2位で残っていればぜひ狙いたい。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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