「難治がん」と闘う新聞記者が、いつもの血液検査から気づいた「定点観測」の重要性 (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

「難治がん」と闘う新聞記者が、いつもの血液検査から気づいた「定点観測」の重要性

連載「書かずに死ねるか――「難治がん」と闘う記者」

このエントリーをはてなブックマークに追加
野上祐(のがみ・ゆう)/1972年生まれ。96年に朝日新聞に入り、仙台支局、沼津支局、名古屋社会部を経て政治部に。福島総局で次長(デスク)として働いていた昨年1月、がんの疑いを指摘され、手術。現在は抗がん剤治療を受けるなど、闘病中

野上祐(のがみ・ゆう)/1972年生まれ。96年に朝日新聞に入り、仙台支局、沼津支局、名古屋社会部を経て政治部に。福島総局で次長(デスク)として働いていた昨年1月、がんの疑いを指摘され、手術。現在は抗がん剤治療を受けるなど、闘病中

 働き盛りの40代男性。朝日新聞記者として奔走してきた野上祐さんはある日、がんの疑いを指摘され、手術。厳しい結果であることを医師から告げられた。抗がん剤治療を受けるなど闘病を続ける中、がん患者になって新たに見えるようになった世界や日々の思いを綴る。

*  *  *
 月に何回、針を刺されているだろうか。検査で4、5回、点滴で9回。これに失敗の回数を加えると、15回にはなる。

 抗がん剤を使っていると刺しにくい血管になるらしく、失敗した看護師さんにときどき「1回抜いて、刺し直してよろしいでしょうか?」と尋ねられる。「よろしくない」と答えたら、どうするつもりなんだろう? チクッとした痛み、血管の奥までズブズブ潜り込む気持ち悪さ。どちらにも慣れないけれど、それが続く人生には慣れて受け入れなければ、と思う。

 まず現状を知り、対策を立て、実行する。それが治療のサイクルだ。

 ほぼ毎週の血液検査で調べるのは35項目。診察で医師から渡されるA4サイズの紙には、直近の2カ月分の数字がずらりと並んでいる。その日に抗がん剤の点滴ができるかどうかは検査の結果次第だ。これに月1回のCT検査が加わり、がんがすい臓から広がっていないか、パソコン画面のモノクロ画像に目を光らせる。


トップにもどる dot.オリジナル記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい