島内で行われるサイクルイベントなどの情報を告知できるよう、自販機の中段にデジタルサイネージを取り入れた。また、ペース配分に役立ててもらおうと、自販機の側面にデザインされた淡路島の地図には、風向きなどの情報を掲示している。サイクリスト目線ならではの特別仕様なのだ。

 自販機を設置して1カ月が過ぎ、原さんは「こんなに(自販機に買いに)来るんや」と反響の大きさに驚いている。商品を買う以外に、自販機の写真を撮って「地元にもほしい」とインスタグラムなどにアップする人もいるという。

 原さんは「自転車で長距離を走る時に気を付けたいのは、パンクや栄養不足。備えをしっかりして、サイクリングを楽しんでほしい」と話す。サイクリスト向けに、ただ島の外周を走るだけでなく、島の文化や風土にも触れてもらおうと、特産品の瓦焼き体験とランチを組み合わせたコースなどの企画も進めている。

 淡路島を自転車で走る道中、心強い味方になってくれそうなサイクリスト専用自販機。そこに込められた、島の人のおもてなしの心にも触れてほしい。(ライター・南文枝)