34位 東急目黒線 5日 遅延率25%


34位 東急池上線 5日 遅延率25%
34位 都営浅草線 5日 遅延率25%
39位 京王井の頭線 4日 遅延率20%
39位 東急大井町線 4日 遅延率20%
39位 都営大江戸線 4日 遅延率20%
44位 京急本線(品川~横浜) 2日 遅延率10%

 最下位だったのは、京急本線だ。京急は人身事故時などで短時間での運転回復に定評があり、鉄道ファンからは「逝っとけダイヤ」とも呼ばれる。

 これは人身事故などの運転支障が発生した際に鉄道会社が発動させるスキルを指す言葉で、ダイヤ復元を最優先させる京急の姿勢が評価された格好だ。

 このほか、乗り入れ運転を行わない東急各線や、大江戸線や浅草線といった都営地下鉄が低い遅延率となった。

 列車遅延の現状と対策について、国土交通省の鉄道局鉄道サービス政策室の鈴木延明課長補佐はこう話す。

「よく列車の本数や車両の数をもっと増やせという苦情の電話を直接いただくことがあるのですが、人口減少社会となったいま、これは現実的ではありません。ソフト面でどうすればお客さまがスムーズに乗り降りできるかという方向で改善を進めております」

 遅延が発生する要因のうち、駆け込み乗車などによるドア挟みや、落とし物などによる線路支障など、利用者が原因のものが全体の7割近くを占める。近年では、スマートフォンを線路に落として遅延の原因になる例も多いという。

「電車内でスマートフォンやタブレットをご覧になる方が多くなったことによって、乗降時間が余計にかかってしまっていることも悩みの種です。乗客の方にいかに円滑に乗り降りしていただくか、啓発活動にも努めていきたいところです」(前出の鈴木課長補佐)

 通勤ラッシュに慣れない人が増える4月~5月は、それだけ遅延も多くなるという。

 時間通りの運行には乗客の"慣れ"が大事ということらしい。もしかすると、首都圏の路線にあまり詳しくない地方出身者が通勤にJRをこぞって使ってしまうことも関係しているのかもしれない。

 このランキングを参考にしながら、京急や都営地下鉄など、並行する他の路線を通勤に使ってみると、地獄のような通勤を少しでも快適なものに変えられるかもしれない。(取材・文/ライター・河嶌太郎)