ハリルJ「勝てば官軍、負ければ賊軍」で見誤る“本質” (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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ハリルJ「勝てば官軍、負ければ賊軍」で見誤る“本質”

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タイ戦に臨むハリルホジッチ監督(写真:Getty Images)

タイ戦に臨むハリルホジッチ監督(写真:Getty Images)

 ロシアワールドカップ、アジア最終予選。日本は現地時間3月23日、敵地に乗り込み、UAEを0-2で下している。これで6試合を終え、グループ1位のサウジアラビアと並ぶ勝ち点13とし、2位をキープ。本拠地でUAEに負けていた借りを返した。

 批判的風潮から世論は一転し、祝福ムードにさえなっている。

 主将MFである長谷部誠の代わりに背番号17で出場したMF今野泰幸は2点目を決め、一躍、脚光を浴びた。今野は得点を決めただけでなく、精力的な動きで広大なエリアをカバー。局面でボールホルダーに対して詰め寄るアグレッシブさは感動的で、「まるで12人いるかのようだった」(ヴァイッド・ハリルホジッチ代表監督)の表現は的を射ていた。

 しかし正確に言えば、今野は長谷部の代役を果たしたわけではない。

 UAE戦、今野は4-3-3のインサイドハーフとして起用されている。山口蛍がアンカーと言われるバックラインの前で軸になる役割を担い、今野はその左前辺りを主戦場に味方のボールを前に引き出しながら、そこら中に顔を出し、相手の攻撃を潰した。代表のフォーメーションの主流は4-2-1-3で長谷部はダブルボランチの一角としてチームを攻守に安定させ、全体を引き回してきた。つまり、今野と長谷部では、与えられた仕事がまったく違っている。

 ハリルホジッチは、今野の強気な守備と旺盛な攻撃意欲に懸け、インサイドハーフとして抜擢した。その試みは成功。見かけによらず、ピッチでは誰よりも熱くなる今野が攻守に奮闘することになった。

 しかし、そのプレーは完璧だったわけではない。

 前半、食いつきすぎて二人がかりでのチャージを交わされ、シュートまで持ち込まれている(GK川島永嗣がファインセーブ)。それは戦術的に拙い判断だった。また、後半も立ち上がり、再三再四、UAEの攻撃の中心を担うオマルのサイドに釣り出されてしまい、(山口との連係も悪く)守備陣を破られていた。いずれもUAEの拙攻に助けられたに過ぎない。ここで失点を喫していたら、試合の潮目は変わっていただろう。


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