豪栄道の昇進には「連続優勝が条件」とされており、これからの後半戦では横綱・大関陣との取組が待ち受けている。昇進の鍵を握るのは、7日目まで全勝の鶴竜と、やはり白鵬の存在だろう。遠藤に不覚を取ったものの、序盤戦に取りこぼしがあっても、日を追って調子を上げて行くタイプである。ただ、これまでの圧倒的な力強さが今ひとつ感じられず、実に10年ぶりという全休休場明けの影響が、今後、どう出るのだろうか。

 危なげなく連勝で乗り切っている鶴竜の中日の相手は、今場所の”元気者”である玉鷲だ。豪栄道のみならず、初日には日馬富士、三日目には琴奨菊、大関昇進に挑む高安をも五日目に下しており、目下3連勝中と勢いづいている。この玉鷲の存在にも注目だろう。

 そして「大関昇進には12勝が必要」とされる高安。早くも3敗を喫し、もう後がない状態に追い込まれている。たとえ今場所の昇進が叶わなくとも、2ケタの白星を挙げれば来場所に昇進チャンスを繰り越せるはず。

 全勝の鶴竜を一敗で追うのは、白鵬、日馬富士、豪栄道、新入幕の小兵力士である石浦だ。後半戦の展開はいかに――。1年納めの九州場所から、目が離せない。(文・佐藤祥子)