デュラント(左)の加入でウォリアーズはカリー(中央)、グリーン(右)ら歴史的タレント集団となった。(写真:Getty Images)
デュラント(左)の加入でウォリアーズはカリー(中央)、グリーン(右)ら歴史的タレント集団となった。(写真:Getty Images)

 1チーム5人でプレーするバスケットボールにおいて、5人のうち4人がスーパースターだったらどうなるだろう? そのチームはいったいどれだけ勝ち続けられるのか? 2016-17シーズンのNBAで、それらの問いの答えが見えてくるかもしれない。

 昨季に2連覇を狙ったゴールデンステイト・ウォリアーズは、6月に行われたファイナル(決勝戦)でクリーブランド・キャバリアーズに3勝4敗で惜敗。一時は3勝1敗とリードしながら、現役最強選手と称されるレブロン・ジェームズ率いるキャブズに3連敗を喫してのまさかの敗北だった。

 その後、リベンジを期し、ウォリアーズはオフに大補強を敢行する。今夏のFAマーケットの目玉と言われたリーグ最高級のスコアラー、ケビン・デュラントと2年5430万ドル(約56億7000万円)で契約。すでにチームに属していたステフィン・カリー、ドレイモンド・グリーン、クレイ・トンプソンという3大スターと合わせ、史上空前の“ビッグ4”を完成させたのだった。

 「自分がどこでプレーしたいかを考え、答えを出したんだ。理由や原因についてはいろいろと言われるだろうけど、至って簡単なことだった。(ウォリアーズが)バスケットボールをプレーしたい場所だったということだ」

 当のデュラントは、ウォリアーズ移籍を決意した理由をそう語っている。2007年にシアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)に入団以降、4度の得点王に輝き、14年にはMVPも受賞するなど、デュラントはすでに多くの勲章を手にしてきた。しかし、優勝には辿り着けないまま。無冠のまま28歳になったスーパースターが、多くの人気選手を抱えながら、同時にケミストリーの確かさでも知られるウォリアーズに魅力を感じたのは当然だったのだろう。

 1990年代、シカゴ・ブルズはマイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペン、デニス・ロッドマンという3人のビッグネームを擁した。最近では2014年まで4年連続ファイナル進出を果たしたマイアミ・ヒートは、レブロン、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュという“ビッグ3”に率いられていたのは記憶に新しい。しかし、今季のウォリアーズのように4人のスターが1チームに揃うのはリーグの歴史上でもこれが初めて。文字通り、“史上最高級のスーパースター軍団”が誕生したと言ってもいい。

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