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46cm主砲の内部まで見られる! 実物大で蘇った「VR戦艦大和」に乗艦してきた

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河嶌太郎、小神野真弘dot.#戦艦武蔵

「VR戦艦大和」のプレイ画面。大和の甲板から艦橋を見上げた。甲板を含め、「ゲーム中で訪ねられるエリアは約10箇所」(仁志野氏) (提供/神田技研)

「VR戦艦大和」のプレイ画面。大和の甲板から艦橋を見上げた。甲板を含め、「ゲーム中で訪ねられるエリアは約10箇所」(仁志野氏) (提供/神田技研)

大和のあちこちにいる乗組員に話しかけることで、大和にまつわる様々な豆知識を学ぶことができる (提供/神田技研)

大和のあちこちにいる乗組員に話しかけることで、大和にまつわる様々な豆知識を学ぶことができる (提供/神田技研)

無数の計器や伝声管がひしめく第一艦橋内部。こうした艦内設備を見学できるのはVRだからこその体験だ (提供/神田技研)

無数の計器や伝声管がひしめく第一艦橋内部。こうした艦内設備を見学できるのはVRだからこその体験だ (提供/神田技研)

主砲の操作を行う射撃指揮所。写真右の、柱に固定された拳銃のようなものが主砲を発射するための器具 (提供/神田技研)

主砲の操作を行う射撃指揮所。写真右の、柱に固定された拳銃のようなものが主砲を発射するための器具 (提供/神田技研)

 思わず息を飲んだ。そびえ立つのは高さ約40メートルに達する鋼鉄の艦橋。壁面に設置された機銃が空を睨み、鉛色の装甲が陽光で鈍く輝く様はまさに「城」だ。その威容に気圧(けお)され、後ずさりしそうになった。

 記者がいるのは東京都千代田区にあるゲーム開発会社・神田技研。目的は同社が開発中の「VR戦艦大和」をプレイすることだ。

【VRとして蘇った戦艦大和、その他の写真はこちら】

 このゲームでできることはシンプルだ。プレイヤーが大和に乗艦し、乗組員の説明を受けながら歩き回る。装着したヘッドセットの内部には、行く先々で大和の甲板や操舵室などが映し出され、在りし日の大和を心ゆくまで見学することができる。それだけ? と思われるだろうか。だが、大和の資料は終戦時に焼却処分され、ほとんど残っていない。「それだけ」が与えてくれる感動こそ、多くの大和ファンが長年夢見続けてきたものなのだ。

 大和は悲劇の船だ。竣工は太平洋戦争が始まって間もない1941年12月16日。全長263メートルというサイズは戦艦としていまだ史上最大であり、こちらも史上最大級で、水平線の向こうまで射程に収める46cm3連装砲を9門搭載していた。まさに規格外のスペックであり、“切り札”となるはずの兵器だった。

 だが皮肉にも、すでに当時の海戦の主戦術は戦艦中心から航空機中心のものへと移り変わっていた。1942年6月のミッドウェー海戦から参戦するも、大した功績を挙げることなく、1945年4月に鹿児島県坊ノ岬沖で撃沈されてしまう。

 巨大で、強く、だが悲運……。男子の琴線に触れる3大要素に彩られた大和の人気は時代を超えて高く、ファンの好奇心を満たすため膨大な数の映画や文芸作品が創られてきた。だが、そうした作品群では決して満たすことのできなかった渇望が「大和に乗ってみたい」というものだ。

 神田技研代表取締役・仁志野六八氏も、そんな思いを抱いていた大和ファンのひとりだった。

「幼少の頃から大和の本や模型に親しみ、想像を膨らませていました。ですが、それでは乗組員が実際にどのように操縦をしていたのかわからない。また、いかに詳細な模型でも、サイズや素材の問題で省略されてしまう箇所が出てくる。砲塔の内部はどうなっていたのか、どんなパーツがどこにどのような付き方をしていたのか。VR技術を使い、大和を実物大で再現すれば、それらを文字通り『体感』できると思い至ったのが制作の動機です」

 制作で最も重視したのはリアリティーだ。その姿勢はもはや執念と呼ぶほかない。


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