「著名人の場合であっても、私生活をみだりに公開されない権利、いわゆるプライバシー権を持っています。例えば、国会議員などの公職者と、プロサッカー選手と比較して論じた判決があります。この判例で裁判所は、プロサッカー選手がどんなに多くの人々の関心を集めようとも、民主主義に関わる公職者の情報と同列に論ずることはできないと判断しています。また、隠し撮りについては、自宅にいた読売新聞・渡邉恒雄会長(当時)のガウン姿が、週刊文春に掲載されたケースがあります。これについて争われた裁判では、渡邊会長のプライバシー権が認められ、文春は敗訴しています。今回もこうした判例に習っているものと考えられます」(前同)

 一方、出版社にとっては、リスキーに思えるが、裁判で認められる損害賠償額がスクープ記事によって得られる利益を上回ることはほとんどないため、場合によっては「利益と天秤にかけて訴訟覚悟でスクープを出すこともある」(出版関係者)という。週刊誌のスクープ合戦は激化する一方であるだけに、今回のような「行き過ぎ」が続発する恐れもありそうだ。