卓球・世界団体選手権で北朝鮮を破り、笑顔で3番手の伊藤を出迎える福原(右)と石川(左)=2016年2月29日 (c)朝日新聞社
卓球・世界団体選手権で北朝鮮を破り、笑顔で3番手の伊藤を出迎える福原(右)と石川(左)=2016年2月29日 (c)朝日新聞社

 リオデジャネイロ五輪の前哨戦として注目を集めた「ITTFワールドツアースーパーシリーズ ジャパンオープン荻村杯」(6月15~19日:東京体育館)。その大会3日目、世界王者中国のナンバー2・丁寧に2回戦で敗れた日本代表の伊藤美誠(スターツ)は試合直後、「リオでは最低でも銀メダル。もちろん金メダルを狙っていきたい」と豪語した。卓球日本女子は来るリオデジャネイロ五輪で、2012年ロンドン五輪団体戦の銀メダルに次ぐメダル獲得を狙っている。

 しかし、先のジャパンオープンでは中国どころか、香港や台湾などアジアの“第二勢力”にも、日本のエース・石川佳純(全農)、福原愛(ANA)らが相次いで敗退。ベスト8にすら駒を進めることができなかった。このままではリオデジャネイロ五輪でのメダル獲得は危ういのではないか? そう心配されている方も多いはずだ。

 卓球女子日本代表の顔ぶれには、個人戦に石川と福原、団体戦(シングルス2本、ダブルス1本)は五輪初出場の伊藤を加えた3人がそろう。リザーブには伊藤と同じ高校1年生の平野美宇(エリートアカデミー)がエントリー。このメンバーでメダル獲得の可能性が高いのは、団体戦だ。もちろん、世界ランキング4位につける石川はロンドン五輪以降、着実にパワーアップし日本のエースに成長。個人戦でもメダルを狙える位置にはつけている。中国のパワープレーに対抗できるよう男子を相手に練習を積み、今春には2年半にわたって指導をあおいできたコーチを代えるなど思い切って環境も変えた。ジャパンオープンでは、目下強化中というバックハンドが効果的に決まる場面もあり、「収穫があった」と本人。中国の高い壁をいかにして越えるかが、リオデジャネイロ五輪の大舞台で試される。

次のページ