具体的にその理由(複数回答)を尋ねてみると、最も多かったのは「人の使い方が下手」(65%)というもの。これは経験不足からくるものなのか、はたまた「年上部下」への遠慮からくるものなのか……いずれにせよ、年上の人を使うことの大変さをうかがわせる結果であった。次いで「知識・知見が少ない」(45%)、「人の意見を受け入れない」(43%)、「人望がない」(42%)。ほかにも「とにかく威張っている/エラそうにしている」(37%)といった意見があった。

 実際に働いた人からは「若い分、経験が浅いのではと不安になった」「年下に命令されると、言い方にもよるが、いい気分がしない」といった声も聞かれた。やはり自分より若く、経験の浅い上司のもとで働くことには、複雑な思いがあるようだ。

 では、年下上司がそんな部下と円滑に仕事を進めるためにはどうすればいいのだろうか。アンケートで「仕事がしやすい」と回答した人を対象に、その理由を尋ねてみたところ、「愛される年下上司」の姿が見えてきた。

 仕事がしやすいと感じた理由(複数回答)の1位は「謙虚な姿勢」で48%。次いで2位は「人の意見を柔軟に受け入れる」(41%)、3位は「コミュニケーション能力が高い」(37%)だった。確かに、柔軟な姿勢やコミュニケーション能力の高さは、近年の若者の大きな魅力である。しかしそれ以上に大きいのは「謙虚であること」なのだ。

 確かに、先の「年下部下に命令されると、いい気分がしない」という意見も「言い方にもよるが」としているし、仕事がしづらい理由に「とにかく威張っている/エラそうにしている」を挙げている人も、少なからずいた。上司としてはさまざまな能力が問われるが、年下上司に求められるのはそれ以上に「謙虚さ」なのかもしれない。

 今後も増えるであろう年下上司の存在。円滑に仕事をするためには、「年下上司」になる人、「年下上司」のもとで働く人、それぞれに気を使うことになりそうだ。(文・横田 泉)