さらなる進化を見せる内村航平。リオ五輪で悲願の団体金なるか?(写真:Getty Images)
さらなる進化を見せる内村航平。リオ五輪で悲願の団体金なるか?(写真:Getty Images)

 ロンドン五輪の体操競技個人総合で金メダル、世界選手権個人総合6連覇と7年もの間、世界のトップに君臨しつづけている内村航平。この2つの世界大会の団体、個人、種目別で内村が獲得したメダルは金11、銀9、銅4の合計24個。これは往年の名選手、監物永三氏(メキシコ、ミュンヘン、モントリオール五輪連続出場)と並ぶ、日本歴代最多記録だ。記録だけ見ても、どれだけ凄い選手なのかがわかるが、それだけではない。内村のオリンピックは、いつもドラマチックなのだ。

 世界デビューとなった北京五輪では、個人総合のあん馬で2度も落下。メダルどころか最下位に近い順位から、なんと21人を抜いて銀メダルを手にした。

 ロンドン五輪では、「プレッシャーは感じたことがない。俺がチームを引っ張る」と強気の発言を繰り返していたが、使い慣れた日本製のものではなく、堅く滑りやすいフランス製の器具だったこともあり、予選からミスを連発。団体決勝・最終種目のあん馬では、降り技でバランスを崩し、それまで2位につけていた日本は、イギリス、ウクライナにも抜かれ4位と発表された。「4年間、何をやってたんだろう」。顔面蒼白で呆然とする内村だったが、コーチ陣の猛抗議で再審となり、銀メダルを死守した。そして、2日後の個人総合では、今までのミスが嘘のように、2位以下を大きく引き離す圧巻の演技で金メダルを獲得。必ず結果を出す男、それが内村航平だ。

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